ゴギの産卵
今年はゴギの産卵をカメラに収めることが一番の目標であった。目的の川では林道工事により川のコーヒー化現象が起こるため日曜以外にはほぼノーチャンスとなる。雪が降ってしまっては遅いため数少ないチャンスを利用し山に入ってみた。
山はいい感じに秋めいている。木々の紅葉も素晴らしいが、黄色や紅色の落ち葉が林道に積もってクッション性の高い道ができており、歩くと心地いい。肝心の天気もここ一番の日よりでまさにうってつけの日となった。
ただ、私は大雑把に秋は産卵の時期ということを知っているだけで、具体的に今日いきなりゴギの産卵シーンが見れるのかというと自信は全くなく、全て手探り状態からのスタートである。
夏に産卵床になりそうな場所に予めアタリをつけておいたが、最上流部に入山後本流を下りながら候補地を探していく。最初約2時間ほどは生き物の気配さえない空振り状態が続いた。
のんびり家を出たためなんの成果もなく正午を迎える。運動を止めると少し肌寒くなるものの、見晴らしの良い川べりの大石に座って昼食を摂ることにした。いつも思うことだが、野外で食べるとどうして同じ食事でも美味しく感じるのだろう。
前半は本流の流れが少なく浅いところを見て行ったが成果が上がらず。後半は右の写真のようなさらに流れが緩やかで浅いポイントや支沢の緩やかな部分を重点的に見ていく。
するとどうだろう。最初に入った分岐の浅い流れに足を踏み入れた瞬間、4つほどの黒い塊が四散するのが見えた。4匹が固まって産卵をしていたのだろう。普通に泳いでいると背中が外に見えてしまうほどの浅い場所だ。残念ながら散らしてしまったため撮影はできず。
その後、4匹以上の集団を見つけることはできなかったが、その浅い部分近辺でメスを待つオスを何匹も確認することができた。突然現れた人間の姿に驚いて逃げるのだが、浅い場所を慌てて逃げるため、姿を晒しながらどこにいるのかが一目瞭然なほどの無防備さだ。
また、一度散ってしまってもしばらくこちらがじっとしているとまた元の場所に戻ってきて、自分の産卵ナワバリを主張している姿など普段の動きとは全く違うものも見れ、興奮冷めやらぬ瞬間を過ごすことができた。
その後も無事産卵シーンに遭遇し、写真に収めることができた。他のイワナと同じく、オスがメスの後方から近寄り体を摺り寄せて産卵を促す。呼応したメスが震えながら産卵を行っている写真が右である。残念ながらオスとメスのタイミングが合っていない写真だが、何度も繰り返し行っていた。
なにより、このくらいの大きさ(20cm前後)のゴギの婚姻色を私も初めて目のあたりにすることができたことが嬉しい。
私の印象では、産卵行動に入ったサケは人やカメラなどもあまり警戒しなくなるようなイメージを持っていたが、ここでのゴギはとても警戒心が強く、従って水中カメラも用意していたが水中写真を撮るほど近づくことは困難で、私と目が合うとすぐに岩陰に隠れてしまった。
普通のイワナとは違い、絶滅危惧種でもあるゴギの産卵を見ることができ、私にとっては特別な日となった。マニアックな趣味かもしれないが、これまでゴギの産卵を見たことのある人が日本にどれくらいいるのだろう。
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