集落の川調査
このところ家の改修のほうにかかり切りでその他の楽しみをほとんど断っている。ただ、ここまで連日暑い日が続くと改修作業を毎日黙々とやるのが精神的にも体力的にも辛くなってきた。
そこで今回はちょっとした息抜きという名目で集落を流れている川、その名もズバリO川(Oは集落名がそのまま使われている)の生物調査をしてみた。実はこの川、私の家のすぐ下を流れる川で、そのまま上流のほうまで魚種調査を兼ねて遡ってみようということだ。
家を購入してからここまで川に入ることをほとんどせずに上から眺めるだけの日々を過ごしてきた。ただ、入ってはいないが観察は欠かさずしていたため棲息する魚種に関してはある程度の予測があった。
というのも、ここの集落を知ってから今日までおおよそ一年くらいが経っているが、上から覗いてみるぶんにはカワムツ以外の魚を見たことがない。少し前に行われた集落の生物調査のときに過去発見されている魚リストが配られたのだが、そこにはメダカやヨシノボリの名前があった。
私も今まで色んな川を見てきたつもりだが、普通に魚が棲息している環境の川でヨシノボリなどの底層魚が見当たらない川というのをほとんど知らない。だが、この川では今まで一度もそういう底層魚にあたる魚(ヨシノボリやカジカ、ドジョウ、カマツカなど)を目にしていない。
今回の調査では是非そういう底層魚を見てみたいということと、あとこれは個人的願望も多少入っているがこの川にオヤニラミがいるという未確認情報を聞いたためそれを探してみようというのもきっかけになった。
オヤニラミに関しての私の思い入れは以前の記事で書いたとおりだ。この川の環境的に棲息していてもおかしくないし、むしろその方が自然であるような気もしている。
前置きが長くなったが、いざ川を遡行していくことに。この川は上流のほうで農業用貯水池になっており、集落の山水はそれより上流の渓流より全戸に向けて配管がなされている。冒頭の社は昭和30年代に先人によって配管工事が成された際の記念碑であるらしく、山水を濾過するタンクの清掃が年に一度集落の人の当番制で行われている。
貯水池のすぐ下流には右の写真のように集落の田に水を供給する農業用水路が設けてあり、ここを調整することで水の出し入れが管理されている。
この水路の分岐点のすぐ上流が貯水池であり、今回の調査はそこで終了する予定だったのだが、いざ遡ってみるとその貯水池に注ぎ込む渓流が思った以上にちゃんとした渓流だったため引き返すのが惜しくなり、そのまま追加調査をしてみた。
貯水池を上流側から見た写真。いずれここで一度釣りなどをして詳しい魚種調査をしてみたいが、それはまた次の機会に。ここまで川に網を入れながら遡ってみたが、意外と川虫などの魚のエサとなるものが少なく、魚もカワムツしか確認できていない。
目当てにしていた底層系の魚も全くお目にかかれず今回は残念といっていい結果に終わった。ただ、渓流の雰囲気自体は悪くなく、恐らく外来魚などの侵略もなさそうに思えるため、貯水池の底あたりにはウナギなどが棲息している可能性も充分にあると思っている。
そんな感じで当初の目的(希望的観測)はかなわずだったが、右の写真のように嬉しくなるひとコマもあった。まださほど大きくない個体だが、こういう発見は他の川ではまず見ることのできない貴重なものであろう。
以前書いた記事のように7月の暑すぎず湿度の高い生ぬるい日(雨後の日など)にはよく顔を見せてくれていたが、7月下旬より一気に暑くなってからはほとんど人目につく場所に出てこなくなっていたオオサンショウウオ。だが我々の住む少し下流の暑い場所よりもやや涼しいこういう上流域ではこのように陸上に出てくることがあるようだ。
最後に本日網に入ってきたカワムツ以外の水棲生物を紹介して終わろうと思う。いずれもオオサンショウウオが好む甲殻類のエサになる生物だが、このO川にはくまなく棲息していて網にも大量に入ってくる。
普通、川の中に網を構えて上流にある石をどかすと川虫などが入ってくることが多いのだが、この川ではそれらの代わりにスジエビが多く獲れ、それもオオサンショウウオなど貴重な種が棲息する理由にもなっていると推察される。
渓相としては上流の趣がある渓流なのだが低山に囲まれているため高度はさほど高くなく、上流っぽいが実質中流域といえる環境。マスが棲息するには水温も高く、通常の川の上流とはそれらの点で明確に違いがあるのが生物の違いに表れているような気がする。
以上、勝手な推測をしてみた。
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