どんこ増殖の巻
今ニュースを賑わせているWBCという国際大会。その試合が続いているせいでここのところ全く更新する時間をもつことができていない。本当であれば古民家ブログは記事がたまっていて少しでも紹介していきたいのだが、今回どうしてもタイムリーに挟んでおきたかったことがあったので優先的に報告しておくことにした。
今回の主役は冒頭の写真の通り、我が家の水槽にいるドンコである。この写真を撮った日、動きに何かいつもと違うような素振りがみられており、ほどなくその理由がわかった。
以前のブログで紹介したときは4匹のドンコを1つの水槽にまとめていたのだが、少しずつ体の大きさに差が出るようになったため水槽の中にセパレータを挟んで別々の空間での飼育となっていた。
そうしないと共食いの恐れがあると思っての処置だが、この冒頭の写真を撮る日から遡ること2〜3日前、隣り合った2匹がお互いを気にする素振りがあったため、試しにとセパレータを外して混泳していた経緯がある。
この日はやたら土管に執着している素振りもあり、さらに人が近づいたときに出てくるスピードがいつも以上に速かったりと、土管の中を見ればその答えが一目瞭然であった。
土管の天井にビッシリとくっついた卵がおわかりだろうか?いつもと様子が違うのはそれを守っているからで、人が近づくとすぐに突進して追い払おうとする動きをしていたということだ。
最初の写真を撮ったのは2月の14日、今このブログを書いているちょうど1カ月ほど前のことになる。通常環境下での産卵は4〜7月と言われているため、時期的にまさか産卵するとは思っておらず、原因はヒーターによるものであったかもしれない。
右の写真は産卵後10日が経ったときに撮ったもの。よくよく見てもらえばかろうじてわかると思うが、発眼してきた頃のもので、時期外れだった割には順調に成長している様子に安堵した。
発眼卵になるまでの間、親ドンコはほぼ毎日つきっきりで世話しており、朝起きたときには土管に逆さ(つまり腹が天井の卵に向いている格好で)にくっついて守っていたり、ヒレを動かして新鮮な水流を卵に送ったりと甲斐甲斐しく世話している。
エサに関しても、通常では待ちきれずに水槽前面に出てきていたものが卵付近で様子を見ているような感じに変わっていたが、発眼したくらいのタイミングから積極的に出てくるようになり、少しずつつきっきりという感じではなくなってきた。
一般的にドンコの卵のふ化には1カ月くらいかかると言われ、写真のようにオスがつきっきりで卵を守る。卵はダメになったものは口で取り除いたりして常に衛生的な状態を維持するので、ムギツクなどが托卵することでも知られる。
托卵というのは要は自分の卵をドンコに世話させるという意味で、そのくらい卵を守る意欲が強いということだ。従って産卵したメスも攻撃される可能性があるため、産卵を確認後すぐにまた元のセパレート状態に戻している。
私自身初めての経験で詳しいことは知らなかったこともあり、発眼卵となって以後上記のように親ドンコが卵の見守り放棄をしているようにも思え、ひょっとして卵がダメになったものかと思ったりもしていた(なんとなく卵が暗い色に変わって死滅したものと勘違いした)。
が、それはそれでひょっとするとふ化のタイミングが近づいているのかもしれないと思い、この時点で親元から隔離することにする。ドンコはもともと魚食性が強く、産まれた子供でも同じ空間で飼育しているとエサになってしまうためだ。
実はこの隔離したタイミングはドンピシャで、その翌日からふ化が始まったのだが、これはけっこう感動的であった。実際にふ化が始まったのは3月7日だったから、産卵から3週間ほどということになる。
産まれ出てくる子はプランクトンかと思うほどに小さく、それでいてすでに姿かたちはドンコになっている。想定していたより早いふ化だったためエサの用意をしておらず、この日すぐに慌てて子供達のエサ作りを開始した。
左の写真はその餌となるものを作っている様子を撮ったもので、これはブラインシュリンプという、名前の通りエビのような生き物である。体がプランクトン並に小さく、水槽全体に砂粒のように漂っているように見えるもの全てが餌となり、淡水魚がふ化したときはこれを与えておけばまず間違いないというくらい栄養価の高い生餌となる。
作っている、と書いたが、それはつまりこのブラインシュリンプが卵の状態で売られているからで、水1リットル当たり20グラムの食塩を混ぜた食塩水を作り、それを28℃の水温調整をしてエアーを送っていると24時間ほどでふ化して大量の餌が出来上がる。
初心者には敷居が高いようにも思えるが、水槽飼育をしていて余りの小水槽とヒーターがあれば誰でも簡単にでき、出来上がるとさらに面白い。
生餌だから赤ちゃんの反応が良く、またたく間に食べている。しかも食事後の子供のお腹が赤いことからもわかる通り、生きたシュリンプの状態では色がわからなかったが、食べてみると色素が赤であることがわかる。
エビやカニなどの甲殻類は赤い色素で構成されており、加熱したときに赤くなるのをご存じの方も多いだろう。こんな感じで赤ちゃんのお腹の色ひとつとっても喜びながら観察を続けている今日この頃だ。
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