古民家DIYリノベや渓流、淡水魚などについてブログするサイトです

古民家暮らし始めました!

これまで広島→大阪→東京と居場所を転々としてきましたが、結局最後の場所として選んだのは広島でした。

 

このサイトはそんな作者が広島の田舎である安芸高田市に居を構え、どんな暮らしを送っていくのかの記録であり、試行錯誤していく様子を見ていただくためのものです。

 

東京から広島に移って3年の間に古民家を買い、リノベーションを進め、ようやく移住することが出来たのを境にトップページをリニューアルすることにしました。

 

ささいなことでも構いません。何かコメントいただける方はこちらまで。
ありがたいことに、頂戴したメールをきっかけにDIYに活かされたり、お付き合いが始まった方も増えてきました。こういう遊びは仲間が増えるとどんどん楽しくなっていきます。

 

※当サイトは古民家をDIYするブログをメインコンテンツにしていますが、基本的に全て時系列で記事が並ぶようになっている都合上、なかなかピンポイントで目的の記事に到達しづらかった側面がありました。今回、リニューアルを機に左の別ウィンドウ下部にリノベーションを手掛けたジャンル別にまとめてみましたのでご利用下さい。各ブログをタイトル別に閲覧できるサイトマップも便利ですので記事探しの一助となれば幸いです。また、掲載の写真は全てクリックで拡大表示できます。古くて画像劣化しているものもありますが、合わせてご覧ください。

前回のブログからの続きを紹介していく。今回のキャビネットを設計するにあたり最も苦心した部分は微調整の部分であると説明したかと思うが、そのうちの一つの要因となったのが冒頭の写真でわかる。

 

このキャビネットを設置する位置にこの3口コンセントがあることにより、完成の形が大きく変わることになった。作者的にはこのキャビネットは見た目重視というよりは機能性重視としたいというところを出発点としており、このコンセントがなければもっと収納部分を充実させることができたろう。

 

ちなみに、このコンセントはあまり使用率が高くなかったのだが、今回このキャビネットを作ることでようやく充分な働きをすることができるようになる。これまでだとシンク台についているコンセントで使用していたコーヒーメーカーやミキサーなどを常に置いておくことができるようになる。

 

本来それらの機械類はシンク台に置いておくものではないのだが、こういった場所がないためやむを得ずそうなってしまい、それによってシンクが手狭でいつも物がごちゃごちゃしている印象が強かったのである。

 

さて、前回のラストからこのキャビネットの側部分だけを組み立てているように見えていた。ここでようやく天板の骨組みをしていくこととしたのだが、ちょっとやってみたところでかなりガッカリする結果となってしまう。

 

右の写真をご覧になればすぐわかると思うが壁の中央あたりが膨らんでおり、柱間に材が張れない状態ということがわかった。設計段階ではこの天板の骨組みはそれぞれの柱にビスで固定するということを前提としていた。

 

ただこれを見るとそうもいかないことがわかったため、すぐさま方針を変更。基準となる柱を写真奥の方と決め、もう一方の柱にはなにか適当な材をあてて固定することに変更することを余儀なくされる。

 

そんな感じでこのキャビネットの骨格となる材を全て固定したのが左の写真だ。先に側の部分を柱にビス固定と書いたが、このキャビネットでビスを使ったのはその部分のみで、前回のブログでも書いた通り残りの部分は全てホゾ組みによる。

 

また、設計で苦労したと散々お知らせしてきているが、この写真でいうと実際に建具が入ってくる部分(見た目でわかるのは手前下の横材)には全て溝をあらかじめ彫っている。

 

その他の苦労としては下の横材の違いを見てもらいたい。手前側は溝が彫られていて建具が入ってくるというのは繰り返しの説明になるが、奥側の天面には塗装がされていないのにお気づきだろうか。

 

これはこの横材の上に天板が重なってくるからで、しかもその天板と手前側の材をツライチにするために横材は高さを天板ぶん下げてとりつけてあったりする。このあたりの細かい寸法設定などは思った以上に神経を使った。

 

そしてようやく外観が仕上がったのが右の写真。当初思っていたより数倍の時間をかけてしまったが、これで今回のキャビネット自体は完成となる。自体、というのはこれに付随して少し別の作業が必要であったからで、それは後段にて紹介する。

 

ちなみにこのキャビネットは実際には4カ月ほど前に完成しているため、完成後の具合などもある程度わかっているのだが、先にお伝えしておくと今回の引戸の収まりについては反省点が多い。

 

完成当初はスムーズに扉の開閉が出来ていたのだが、エアコンの下にあるため冬を越すまでの暖房の影響をモロに受けて変形してしまったことと、設計に問題があったと認めざるを得ないが2間の長さを60角で柱もなく通したため、天板側の横材が中央あたりで下に垂れ下がることになってしまった。

 

それによって扉の開閉がかなり窮屈になってしまっているため、またどこかで戸車なりの微調整を行う必要がありそうだということをお伝えしておきたい。今後の参考にされたし。

 

また、失敗繋がりで前回のブログにて触れていたツヤなしニスだけを塗った弊害がおわかりだろうか。キャビネットの天板だけ全く違う色合いになっていてかなり浮いてしまっているから一目瞭然だろう。

 

本来であればこんなミスは可能な限り修正しておくのがこれまでの作者のスタイルだったが、今回に限りもうこれで良しとしておこうという気になっていた。その一番の理由としては、完成後この上には常にテーブルランナーのような敷物を設置することになるからである。

 

そして左の写真は先ほど説明したこのキャビネット作成に付随した作業のひとつがわかるもので、水屋だったスペースの壁にこれまでにはなかった木の板を固定しておいたものだ。

 

これまでだとこのスペースには大きめの食材や常に多めにストックしてある水など比較的大きなものを保存しておく場所だったが、このキャビネットが完成することによって作業のしにくいデッドスペースと化してしまうため、別の用途に使うことにした。

 

今回のブログでは写真が間に合わなかったため掲載できないが、このスペースには後日有孔ボード(小さい穴がたくさんある板)を固定してものを吊り下げておく場所にしている。

 

さらにこの水屋スペースをより有効活用するため、普段開いていたスペース(棚から反対側の垂れ壁あたりの空間)に新たな棚をつけておいた。これは利用率が低いが倉庫に入れるほどではないようなものを収納することにした。

 

実際に収納したものは卓上ガスコンロやBBQ用の食器一式などで、これまでは通常使う食器やコップなどと同様に置いていたためこれでようやく置くものの整理が進んだ。

 

以前にお話ししたかどうか定かではないが、今回使った棚用の板は超お買い得だった2メートルものの集成材で、1本2千円前後だったため数枚買い置いていたもの。こんな感じで必要な場所に気軽に簡単に収納棚が設置できるのはありがたい。

 

さて、そこまで終わったら次は最後の仕事を施しておいた。写真を見ればわかる通り、このキャビネットの上あたりがどうものっぺり感があったため、とっさの思いつきで以前の記事で紹介した茶箪笥を固定してみた。

 

この茶箪笥はかつてここの水屋を作ったとき、棚の間にちょうど収まる手ごろなサイズのものを探してリユースショップで購入しておいたもの。今回水屋のスペースに手を加えたのに伴い一番下段にあたる棚を解体したため、どこに使用するか検討しており、結果としてまずまずの使途ではないかと思っている。

 

そんな感じでサイドキャビネットとその周辺のリノベーションが終了した。最後の写真ではまだ有孔ボードの設置ができておらず、水屋棚の下のスペースも完成していない。

 

棚の下のスペースにはこれまで同様、水などの段ボールを積み上げて保存する場所とするが、正面で目立つ場所であるため、ここにも布を垂らして少しでも見た目を良くしておきたい。が、それはまた後日のことで紹介するほどのことでもなさそうであるため、これにて周辺の作業も終わりということにしたい。

久々にDIYの話をすることになる。約半年ほど更新できていない日々が続き、ようやく更新再開となってからもDIYの話ではなく、業者に依頼した内容のレポートに終始してしまっていた。

 

実は更新できなかった半年の間にも記事になる作業は少しずつ続けており、少しずつというのは本当にチリ程度のものだったのが気が付けばそれなりの量蓄積してしまっている。

 

ざっと数えて20記事分くらいストックがある状態だが、どう頑張っても毎日更新とかはできそうにもなく、少しずつでも更新していけたらと思っているので生ぬるい目でご覧いただけたらと思う。

 

さて、冒頭の写真である。この建具を見てピンときた人は相当このブログフリークの方だろう。これは以前の記事でも紹介した、近所の古道具屋で購入したガラス戸で、古いすりガラスの色合いが郷愁を感じさせる一品だ。

 

本来であればこれを紹介する前に今回の主旨であるサイドキャビネットについて解説があるべきであろう。作者がこの母家で暮らし始めてちょうど3年が経過することになるが、やはり色んなところで過不足がでてきている。

 

その中でも最優先で解決したかったのがキッチンの手狭さであった。作者宅のキッチンがどのようなものであるかは以前の記事を参照願いたいが、色んな道具を置く場所が確保しきれておらず、妻の方からコンソールテーブルのようなものが欲しいと要望があった。

 

コンソールテーブルというのはあまり聞き覚えがない方もいるかもしれない。壁際に薄く出っ張った棚や出幅の短いカウンターのようなものを想像してもらうとわかりやすいと思う。

 

これは作者の方でも同様のものがあればいいということをずっと考えていて、簡単に既製品を購入してもよかったのだが、せっかくお気に入りのガラス戸があったこともあり、ここはDIYするしかなかろうということで今回の作業となった。

 

妻のイメージでは本当に簡単なものが置ける程度のカウンターだったようだが、作者としては出来るだけ収納スペースが欲しかったことと、設置予定箇所がエアコン(暖房など)の正面ということもあり、収納品を温風から保護できるよう戸棚式の薄型キャビネットを作ることに決定。

 

前置きが長くなったが、結論から言うと今回のキャビネット制作において最も大変で時間を使ってしまったのはその設計においてである。冒頭の写真のガラス戸を使いたいという気持ちが先にきたこともあって、全ての設計がそれを基準にして造ることとなった。

 

当初は漠然と幅1000〜1500ミリ程度のもので良いと思っていたのだが、この建具の寸法に合わせてかなりワイドなものになったこと。また、収納スペースも3段くらい欲しいと思っていたものを高さ的に2段にまとめざるを得なかったこと。さらに設置位置的にクリアしておきたい項目なども複雑に絡み、思っていたより時間がかかってしまうこととなる。

 

それプラス、今回の造作で時間がかかってしまったこととして、右の写真のようなホゾ組み式にしてしまったことも挙げられる。ただしこのホゾ加工に関してはこれまで何度か経験値を積んできており、加工自体にはさほど時間は要していない。

 

あくまで、前段階としての設計に時間がかかってしまっている。具体的には細かい寸法調整であったり、木材にケガキ線を入れる作業であったりするのだが、特に寸法調整は苦戦した。

 

その最も大きな理由としては、このガラス戸の中央にネジ式の錠がついているからで、2枚の戸が閉まった際にドンピシャリでネジ穴に錠が入るよう、ミリ単位でもズレないような設計を意識したからでもある。

 

大枠必要な部材の加工が終わったら次に手をつけたのは建具自体の加工ということになる。この建具でいえばまず気になったのは左の写真の通り、戸の裏側に関してであった。

 

もともと付いていた戸車は錆びてしまって使用に耐えうる状態ではなかったためバラしたのだが、レール避けの溝の中もかなり汚れているのがわかると思う。この面に関しては完成後はまず目にすることのない部分ではあるのだが、場合によっては食料品なども置くことになるため、気持ちの上でも綺麗にしておきたく、掃除した。

 

その結果を右の写真でご覧いただきたい。溝の掃除はちょうど良い幅のノミがあったためそれでひと削りしただけで見違えるようになった。交換した戸車についてだが、これまで作者が使ってきたものは全て丸型のものであったのに対し、平型を使っている。

 

建具に詳しい方であれば説明は不要かと思うが、丸型というのは戸車の車部分(いい方がおかしいかもしれないが)に丸い溝がついているもので、恐らく一般に最も普及している型であろう。

 

対して平型というのは名前の通り車部分が平になっているもののことをいう。他にもV型など種類はあるが、丸型というのは甲丸レール上に置くことでその上をスライドするよう設計されており、平型やV型などは戸道を形に合うよう彫りこんでそこに載せてスライドする設計となっている。

 

以上の説明で答えになっているのだが、今回作者がなぜ丸型ではなく平型の戸車を選んだかといえば、甲丸レールをつけることを嫌がったからである。その代わり甲丸レールを固定するよりも手間のかかる戸道を彫るひと手間が増えてしまった。

 

全ての継手、仕口、溝彫りなどの準備が整ったあとに行ったのが木材の磨き作業である。今回のキャビネットの設計では先の写真でもご覧になった通り、60角材が基本となって構成される。

 

この角材が構造材でかつ仕上げ面にもなるため、ここでの磨き作業は適当ではなくかなりしっかりと行う必要があった。また、必要な部分の面取りやボーズ面仕上げもこの時点で全て終わっている点もお伝えしておく。

 

材のサンダー掛けが終わったら次に行うのは塗装作業となる。ここでの写真では網羅しきれていないが、塗装後、天板となる材にはニス仕上げも施す。

 

ただ、このニス仕上げはかなり失敗してしまい、しかも申し訳ないことに流れ的に今回ではその写真も紹介しきれない。どう失敗してしまったのかというと、全体的にシックな感じの色合いにしたため、ツヤなしニスを使用してしまったことが原因となる。

 

作者の過去の経験からも、ツヤなしニスというのはそのまま塗ってもニスの仕上げ感が全く出ない気がしており、ではどうやってそのまま塗らずに綺麗に仕上げるかというと、まず最初にツヤありニスを下塗りしておくことが肝心なのである。

 

それをしないでツヤなしニスだけを塗り重ねてしまうと残念な結果になることは予め解っていたのだが、2種使うことが面倒だったためツヤなしのみを使用してしまった。これは大きな反省点となった。

 

それらも完全乾燥させ、いよいよ組み立て本番となる。今回のキャビネットは自立させて置くだけという形で設計しておらず、壁に固定して動かさないことを前提に構想を考えているため、まずは位置決めをしてそこに固定することから始まった。

 

写真では作者が最初の固定ビスを揉んでいるところを撮っている。実際の現場に持ち込んでみると、壁も歪みや凹凸があったりして事前に組み立てておいたものがうまく組み合わさらないということはDIYあるあるではなかろうか。

 

そのあたりの説明はまた次回のブログに譲ることになるが、この時点でいえることは、事前に組み合わせた際にはほぼ完璧に近い形になっていたということ。

 

最後の写真は最初の柱を固定した後、ホゾ組みにてはめ込んでいる途中で撮ったものだ。今回の設置には最初のビス止め(両端の柱を家の柱に固定)をしたところ以外には一切ビスを使わず、中板と天板にだけ簡単に動かないようかなり限定してビスを使っている。

 

従って、中板や天板のビスを外すと簡単にバラせる構造なのだが、かといって接合強度がないかと言えばそうでもなく、継手と仕口お互いが支え合って自然に抜けてばらけることなどはまずないほどの強度は確保できているように思えた。

 

これがホゾ組みのメリットなのだろうが、それにしてもやはり仕込み段階での所要時間が多いのがネックではある。単純にビスだけで固定することを考えたときと比べて数十倍もの時間を要するというデメリットが目立ち、やろうと思えばかなりの気合が必要になるのは間違いない事実だ。

 

次回では完成までをお伝えできればと思う。

前回のブログで合併槽を埋設するまでが終了した。今回はそこから完成までを一気に紹介することにしよう。

 

埋設後に残っている作業はというと、合併槽本体のことで言えばもう仕上げコンクリートの打設くらいしかない。冒頭の写真はその準備が完成したものを撮ったもので、通常コンクリートの打設ではこんな感じで型枠を組んでから行う。

 

その後配筋を行うのだが、市の管轄下ということでこのあたりもいい加減な仕事ができないようだ。これが個人宅の仕事だったりすると、業者によってはかなりしっかり監理を行っていないと適当なことをされたりもする。

 

そういう話はさておき、コンクリートの打設である。これまでDIYでもやってきたことで作者的には何ら変わり映えのないことだが、このブログで紹介したことに限定して言えば過去にミキサー車を呼んだことがないため紹介しておこうと思った次第。

 

作者はこれまで過去の仕事などの中でミキサー車を呼んで作業をした経験があるのだが、自身で持って帰るパターンと一番の違いといえば、時間との闘いを強いられることが挙げられるのではなかろうか。

 

とにかく、業者を待たせるわけにはいかない(長引けば追加料金も発生する)ため、少しでも早く持ってきてもらったものを処理しなければならず、右の写真のようにミニクローラーなどで簡単に運べればいいが、ネコ車などで往復となるとちょっとしたマラソン状態になりけっこうしんどい。

 

そんな感じで持ってきたコンクリートを用意しておいた型枠の中に落とし込んだものを綺麗にまとめた状態が左の写真。写真では見えないかもしれないが、素人がつい怠ってしまうことの違いとして角4隅に面取り用の「面木」と呼ばれるものがちゃんと入っている。

 

コンクリートはこの4隅の部分から欠けていくことが多く、一度欠けてしまうとそこから脆くなって広範囲に欠けていくということを防ぐ対策として面木を打つことが当たり前のようになっているが、このあたりも業者の良識が試される部分だろう。

 

打設後しばらくが経過したら周囲の掘りこんでいたところを埋め戻すと浄化槽本体に関する作業は概ね完成に近づく。本来であればこれに建物側からの排水管を接続して作業を終えることになるのだろうが、諸事情あってこの時はこれで一旦作業を終了した。

 

諸事情というのは、作者側の都合でまだ全ての排水ルートを確保できていなかったというのが大きい。そのうち最も大きな要因は以前のブログでも紹介したことのあった母家の洗濯機からの排水ルートで、このルートは作者的にかなり気に入らず出来れば別ルートを模索したかった。

 

ただ、作者の身体がなかなか動けない中で、ルート確保ができていない段階で設備屋さんより連絡があり、浄化槽設置から約半年くらい(だったと思う)経過して市の方から早く繋ぐことを急かされているとの情報が入った。

 

市としては設置後少しでも早い段階で使用料金の回収をせねばならず(設置しただけでは当然ながら使用料はとれない)、当たり前の処置であろう。作者としてはこの洗濯排水ルートを母家の正面玄関下から出して短い距離にしようと思っていたのだが、そこは時間的妥協をし、ルートを全て設備屋にお任せすることとした。

 

その洗濯機からの排水ルートを確定させたのが左の写真のあたりということになるのだが、奥の方から排水パイプが手前に向かって下り勾配で配管されており、その上に真砂土で覆っているという感じだ。

 

実はこちら側には写真の真ん中あたりから浴室の排水管も川側に向かって下ってきており、それと合流させて先の浄化槽まで持っていくこととなる。何度も繰り返しになるが、これまで単独槽はトイレだけを繋いでいたが、今後は家庭用排水全てにおいて合併槽に繋ぐことになる。

 

ちなみにそれ以外の排水に関しては雨水同様の扱いとなるため、以前のブログで取り付けた電気温水器の逃げ水管や勝手口の水道排水管などは別途今までのようにマスの中に一旦集めて土壌に放水する形態をとっている。

 

さて、その後排水管は写真の位置にあるコンクリートブロックで通り道を失うこととなった為、ここの階段部分は1段ほどハツって管を通してもらった。もともと階段の一番上の段は劣化により割れて落ち込んでしまっていたため、壊すことに全く躊躇がいらなかった。

 

管を通した後の処理については決めていなかったが、設備屋の判断で一旦真砂土を埋めてくれていたようだ。さらに管は手前に下り、手前側のコンクリートブロックの下側をくり抜いて通しているはずである。

 

その後管は一旦左の写真のマスに入り、ここで水位調整をして次は写真奥の方に見えるマスに向かって下り勾配をとりながら配管される。このあたりの作業は素人がやってできないものではないが、いったん業者に頼んでしまうと自分でやらなくて良かったと安堵する想いであった。

 

ただしその安堵は金銭的支払いと反比例するもので、当然ながら楽をすればするほど、業者に支払う料金は高くなっていく。今回の配管に要した費用をこの段階でお伝えしておくと、約35万円ほどだったと記憶している。

 

最後の写真ではここまで持ってきた配管が残りの全てのものと合流して合併槽まで向かっているのを確認できるだろう。

 

まず左にあるマスが先ほど通ってきているもので、実はこのマスには母家のトイレからの排水管も届いている。これまでは単独槽に繋いであったものをルート変更しているため、ここもかなり労力がかかっている部分となる。

 

そしてこのマスが次に向かうのは真ん中手前から2番目のマスとなる。一番手前のマスには右側からシンクの排水管が届いており、それも2番目のマスにむかって合流し、そこで初めて母家の全ての排水管が集結した。

 

あとは納屋の向こう側にある合併槽に進んでいくだけなのだが、向こう側に届くまでに2箇所ほどさらにマスがあるのがわかると思う。これは納屋からの排水ルート上に予め埋設しておいてもらったもので、このマスにそれぞれトイレと台所の配管が合流する。が、それはまだ先の話。

 

さらに、これらの配管をする際についでに納屋への水道管3種(上水と山水と温水)の配管をやっておいてもらっているのは言うまでもない。上記金額にはそこまでが含まれており、作者の予想を上回る出費となってしまった。

 

以上で合併浄化槽に関する記事は終了とさせていただく。次回以降、ようやくたまっている作業面での紹介ができるだろう。

浄化槽の続きの話である。前回のブログでは槽を入れる穴を掘って底にコンクリートを打設するまでを紹介した。実はこのコンクリートが固まってから今回の記事の部分までは少しタイムラグがあった。

 

コンクリートというものは打設後雨に打たれない限りにおいて通常であれば丸一日も経てば人が乗っても問題ない程度には硬化するのだが、特性としてそれ以降も日を経るごとに硬度が増していくという特徴をもつ。

 

そういう理由からなのか単に設備屋の都合なのか、はたまた天気によるものなのか気まぐれなのか、打設後2週間弱ほど間が開いていたように思う。そのくらい経過後ようやく冒頭の写真のように埋め込む槽が届いた。

 

作者は今でこそバックホー(ユンボ)等の免許を持つに至ったが、この合併浄化槽を自分でやろうかどうか検討していたときには当然持っておらず、この巨大な槽をどうやって運ぶつもりだったのか、今思えばかなり無謀なことを考えていたのがわかる。

 

しかも、結果的にこの合併浄化槽に関しては全て市の管轄下にあり、工事をするのも許可を得た業者じゃないと出来ないというルールなどもあったりし、もしそれでも強行してやったとしてもさすがにこうやって公の場でどうこう言うこともできなかっただろう。

 

前回のブログにも出ている矢板や支保工にせよ、個人ではかなりの精緻な情報を事前に得ていない限り材料の確保もままならず、結局業者依頼をすることになっただろうと思う。

 

それにどこかで説明したかもしれないが、今紹介している浄化槽の埋め込みに関しては全て市の方が負担することになっており、作者の負担となるのはこの槽が出来た後に必要となるパイプ等一式の設置のみとなる。のみ、とはと言ってもそれが全体でかなり大きな工事になるのだが。

 

槽の設置が無事終わり、次の工程ではその中に水を入れていくのだが、これは結構な時間待ちが発生することになる。水といえば前回のブログでは説明が出来ていなかったのだが、この穴を掘った後はものすごい量の水が毎日のように底に溜まっていた。

 

我が家はすぐ隣が川であるため、それら溜まった水は全てポンプで川に流せば済んだ。ちなみに右の写真にあるよう今回我が家に入る浄化槽は3つの区画に分かれたもので、7人槽という種類になる。2人暮らしをするにはかなり大きいと思うのだが、これは家の大きさ(母家・納屋も含む)や使うトイレや風呂の数などけっこう細かい規定があるようで、今回作者は業者丸投げなので詳しくは調べていない。

 

それらを経てようやくこの浄化槽の周囲を埋めていく作業に替わる。これには全て前回出たものと同様再生砂が使われていた。この砂、見た目はさほど良くないが水はけはかなり良さそうで、ここに越してきて以来の悩みでもある玄関までのアプローチの土壌の改良に利用することも視野に入れてみてもいいかもしれない。

 

全ての余裕ができてからになるかもしれないが、我が家は今この浄化槽を埋め込んでいるあたりから母家の玄関までの間の水はけがかなり悪く、そこを改善するため暗渠の準備をしているというのは前回でもした話。

 

暗渠というのは要するに周囲の土壌が吸ってため込んでいる水を任意の場所に流していくものであり、それプラス周囲の土を一定の厚さでこういう砂で埋めておけば、あとは表面だけに自分の好きな処理をすれば良いのである。

 

こういうのを業者に頼めばそれだけで数十万からかかるような作業だが、借り物のユンボが手元にある以上、いつでもこういう作業が原価で行える。これこそがDIY万歳というものではなかろうか。

 

ついつい余談が長くなりすぎるのが作者の悪い癖だ。そんな感じである程度再生砂で埋めたところで必要のなくなった矢板を抜く作業に替わる。手順など全てが計算され尽くしていて流れるように作業が進むため、うかとしているとすぐにシャッターチャンスを逃すことになる。

 

実際に撮っておけばよかったという作業もあったりしたのだが、こればかりは業者の手を止めるわけにもいかず致し方ない。こんな感じでユンボがなければ進まない作業が多く、親子で一台ずつ別のユンボで作業するシーンなどもあった。

 

抜いた矢板は右の写真のように綺麗に戻し、次回以降も使いまわしていく。普通、DIYでもこの矢板を扱うレベルで全行程をやるということはほぼないのではないかと思うが、ネットなどを見るとこういう作業も全て自前でやっている人もいるから世の中上には上がいるものだと思う。

 

作者の感覚としては、こういうコンクリート基礎などが絡むような部分や、構造上単独作業では危険かつ困難が伴う小屋組み(柱に梁桁を載せたり)までの作業など基本構造がからむ工程は気が重すぎてやる気が出るものとは言い難い。

 

それは作者の作業のほとんどが独りでやることに根ざしているからでもあろうが、似たような感覚やスキルを持つ仲間大勢で作業を進めるスタイルの人であればそういうこともできるだろう。単独でもそういう大きな作業ができる何かいい方法があれば実践してみるのもいいかもしれない。

 

さて、後はひたすら埋めていく作業のみになるため書くほどのこともないが、一点お伝えし忘れたことがあったためこの段階で紹介しておこう。これは知っている人以外はほぼ全員が気づいていないことのように思う。

 

今回の記事で3番目と4番目の写真をご覧いただきたい。それらを見て何か違和感のようなものがあることに気づいた方は相当感覚が鋭いと断言できる。3枚目の写真で浄化槽を埋めたときのグランド面の高さに注目して欲しいのだが、それと埋設した槽の3つのフタの高さを比較してみると答えが導き出せるはずだ。

 

写真だから地面とフタの高低差がわかりにくいかもしれないが、周囲の材料(支保工やベニヤ板など)を材料にするとフタの高さが相当地面より低いことがわかる。つまり、このまま全てを埋めてしまっては今後この浄化槽の中に対して干渉する手段がなくなってしまうのである。

 

それを解消しているのが4枚目の写真で、何やらフタの位置に管のようなものがあり、それが砂で埋められているような恰好になっている。砂で埋めているように見えるのは強度を確認・確保するためとのこと。

 

最終的にはこの管の周囲も砂で埋め、その後に管の中のものを取り除いてGL面にまで上げたところでフタをかぶせる、というような仕組みになっている。これはかなり合理的なやり方で、もしこのやり方をしないとなると、そもそものフタがGL面にフラットになるように底の基礎コンクリートから計算しなければならず、非現実的だということになるのだろう。

 

そんな感じで合併浄化槽があらかた埋設できたことになる。あとは浄化されて綺麗になった水をどこかに排水しなければならず、それは写真のようにそのまま石垣の下にある川土手の溝に落とし込むことにした。

 

それにしても設備屋というのは本当に幅広い資格・知識を持っていると感じる。よく昼休憩時間に話をさせてもらったが、〇〇士1級といったような資格をいくつも持っておられるようで、1級というとそう簡単には取れないものにも関わらず、複数所有しているとか作者には意味がわからない世界のように思えた。

 

息子さんもそれら資格は到底とれる自信がないものばかりだそうで、人は見た目で判断してはいけない(失礼)ことを改めて認識しなおした次第である。

ようやく合併槽についての記事を書くことができる。今改めて振り返ってみると、実はこの合併槽の工事に着手したのはちょうど1年前くらいになる。自分でも少しびっくりするくらい昔のことだが、それだけ休止などで更新ができていなかったことの裏返しでもある。

 

また、この合併槽の工事は業者に頼んだのだが、一度の工事で全てを終わらせたわけではなく、少しやっては放置し、また少しやっては放置しで、そこはもう馴染の業者になってしまっているから全て適当にお任せというやり方をとっており、それで実際に完成を見たのが1カ月ちょっと前ということになった。

 

ともかく、作者としては早く紹介しておきたかった記事の一つである。早速本題に入っていこう。

 

冒頭の写真は合併槽の埋設予定位置に墨を打ち(赤いペイントがわかる)、そこにユンボで穴を掘っているところのものだ。あまり広くないスペースだが、我が家ではここに車を常に停めているところでもあり、工事中は少し遠い位置に停車することになるため、一刻も早い完成が望まれる。

 

穴を掘ったら次は右の写真のように仮の壁を組み立てていく。写真でもわかるように、この穴はかなり深く掘られている。3メートル弱ほどの深さがあるが、びっくりするほど綺麗な立方体状に掘られていた。さすがはプロの仕事とうならざるを得ない。

 

作者がいつも頼んでいるのは近くの設備屋さんで、いつもは父親と息子という組みあわせで来ているが、こういう人手を必要とするような仕事の場合は奥さんの応援も得てやっているようだった。この仕事を見ていると、作者が1人でやろうと思っていたことがいかに無謀な考えだったかがよくわかる。

 

ちなみに、写真で入れている金属製の板は矢板と呼ばれるもので、これらは周囲の土が落ちてくるのを止めたりする役割を負う。土留め(どどめ)と呼んだりもする。

 

作業が進んで完成したのが左の写真となる。これら全体のものを指して支保工と一般的には呼ぶが、これはその支保工の中でも切ばり式土留めというらしい。切ばりというのは矢板が倒れてこないように真ん中に突っ張っているように見える棒のことで、この程度の規模の支保工であればこれだけやっておけばまず問題は起きない。

 

手前の方に電気コードやら青いホース状のものが見えているのは地下水を汲み上げるためのポンプ一式で、さすがにこれだけの深さを掘るとそこに集まってくる水の量も尋常なものではない。

 

次に手掛けていたのは底に打つコンクリートの準備である。これは実際に合併槽を載せることになる土台となるもので、その厚みまでがキッチリと決められており、業者はひとつひとつ写真を撮って違反していないことを行政に示さないといけない。

 

もしそれに反していれば完成したものを再度掘りなおして置いてあるもの全てを一度取り除いてやり直しということになるようで、ここはかなり慎重に作業を進めているようだった。

 

ようだったというのはこの当時は作者も他の作業に忙しく、こういった作業をこまめに見れていたわけではなかったということで、写真や意図はかなりかいつまんだものになる可能性が高い。

 

次に気づいたときは左の写真のような状態であった。さすがに複数名でやっているだけあって仕事が早く、無作為の晴れの日の一日でこれらを終わらせるのだから作者のやり方とはスピードが違ってくる。

 

作者であれば最低でも2日連続以上で晴れの日を選んで万全の体制で臨むところだが、実際この作業が終わった翌日には軽い雨も降ったりしている。ただそれも土砂降りでなければ問題ないといった感じで雨養生もサッと済ませて帰っていく。このへんは経験の差が出るところと思う。

 

これら作業が終わると余った材料が出るため、業者と話し合いが出来ていればそれらは当然受け取ることができる。割と気の知れた業者さんなのでそこらへんは向こうの方から確認してくれ、今回ではコンクリートと再生砂が余ったためそれらをもらった。

 

コンクリートが余ることはあまり期待しておらず、それも少量だったためすぐに適切な使用場所が思い浮かばなかった。結局右の写真の場所に使うことにしたのだが、ここは納屋の裏手(東面)の犬走りにあたるところなのだが、地面に何ら加工せず幅が1メートルもない状態ですぐに石垣になっているところで、そこから母家に行く部分がコンクリートブロック1個分ほどの段差があったため、そこをスロープ状にしてみた。

 

ここはあまりに狭く、石垣も古くて割と簡単に崩れそうであまりいい印象を持てない部分だったため、どのみち自分でもモルタルか固まる砂みたいな商品を使って整備したいとは思っていたところでもあった。また余談だが、現行の建築基準法ではこの状況の立地に新築することは不可となる。

 

そして先ほど出た言葉で再生砂というのを知らない方もいるのではないかと思う。ひょっとしたら以前にも説明したことがあったかもしれないが、再生砂というのはコンクリートのガラなどを細かく砕いた珪砂のようなもので、いわゆるリサイクル品である。

 

地域的なものかどうか調べてないためわからないが、作者が頼んでいる業者によると、合併浄化槽の設置を請け負った業者は市の方から(だったと思う)すべからくこの再生砂を使用することが義務づけられているらしい。

 

ちなみに、作者の住む安芸高田市では合併浄化槽は市の管理下にあり、今この記事で紹介している工事(槽を埋めて設置する)料金は全て市が負担する。その代わり使用者は市の方に毎月いくらという形で使用料を支払うことになる。

 

これまでの単独浄化槽は個人の持ち物だったため使用料はかからないが、年に2回ほど掃除点検が義務づけられており、その料金が一回3万円強もかかり、年間トータルの支出は合併槽の方が安くあがりそうな見込みとなっている。

 

余談が長くなるので話を戻すと、その再生砂も必要分使用して余ったものを、これまで敷地と道路の間にあった段差を埋めるのに使ってもらったのが左の写真だ。

 

この再生砂は水はけも良く、作者の家のアプローチあたりに使用するのにうってつけかもしれない。この家のアプローチは全て土の上を歩く形になるのだが、雨が降るとすこぶる水はけが悪く、靴を濡らさずに歩くのが非常に困難となっている。

 

そのため作者は1年くらい前に暗渠(あんきょ)を通してやろうとパイプなど材料は買い揃えていた。それをここまでやっていなかったのはひとえに今やっている合併浄化槽の工事で通す下水管のルートと干渉するのを恐れたからで、この工事が終わればいつでも暗渠埋め込み作業にとりかかることができる。が、それはまだ先の話になるだろう。

 

最後の写真は今回の余った再生砂では埋めきれなかった部分を撮ったもので、ここの穴と段差は車の出入りの際によくハマりやすい嫌なポイントでもあったため、業者には次回余った場合はここを埋めてもらうよう頼んでおいたところで今回は終わりにしよう。

前回のブログで納屋トイレの壁までの仕上げが終わった。ここまで天井から始めて一間モノの壁を造り、それに土壁を塗って漆喰仕上げまで、実に2カ月くらいの期間をかけることになっている。

 

それらのほとんどは土壁塗りとその乾燥待ちの時間になるのだが、ゼロから一間以上に広い範囲に土壁を本格的に塗るのが作者も初めてだったため、昔の職人は本当に手間と時間をかけて壁を仕上げていたのが実感としてわかった。

 

そのため職人に壁依頼をすると値段的にも高額になるのも理解できたが、半面、そのほとんどが人件費であることも身をもってわかることになり、今後もDIYで出来る部分は積極的にやっていくというモチベーションにも繋がったと思う。

 

さて、それら壁の乾燥を待たずして出来ることは先にやっておくことにする。冒頭の写真はこのトイレのフロアを準備しているときのもので、再三お伝えしてきたように、今回このトイレではベニヤ捨て張りの上に直接仕上げとなる床材を貼ることにした。

 

まず床の素材だが、これはタジマのビニール製床タイルを購入した。これに決めた意図としてはそれなりに厚み(3ミリ)があるもので耐水仕様のものであること、チープさが見えないよう石目調のものを選んだこと、それらの条件を満たした上で価格面などのコスパも納得できたこと(2畳分6600円)などがある。

 

写真はそのタイルを敷く場所を確定させ、そこに床下もろとも給排水管が通る穴を開けたときのものである。

 

ちなみにその給排水管の穴の中で少し失敗してしまったのが右の写真のもので、これは冒頭の写真の左の方に開けた給水用の穴を拡大したのだが、穴が2つ分繋がったような状態になっているのがわかるだろう。

 

これは最初に開けようと試みた穴の位置に根太があったことに途中で気づき、位置変更をしたためにできたもので、いかに作者が寸法計算をせずに雑な仕事をしていたかがよくわかるものとして残しておく。

 

次の手順として行ったのがこの加工した床材の貼り付けになる。前提として壁の完成と同時に床張りをしていったが、当然壁は木造に簡単に貼り付けた石膏ボードとは違い素人による塗り壁であるため、凹凸がどうしてもできてしまう。

 

従ってそこに床張りとして固定しているベニヤの壁面は隙間だらけになってしまい、そこには発泡ウレタンによって空気の遮断はしていても、仕上がりの見た目としてピッチリにやるには数倍の手間がかかってしまうことになる。

 

ただ今ここで手掛けているのは普通の部屋ではなくトイレであり、見た目云々よりもとにかく水漏れ防止を最優先にしなければならず、それを解消する最も簡単な方法として採用したのが左の写真のやり方で、水漏れする可能性のある場所には全てコーキングを施すことを大前提とし、まず最初に壁面のコーキングをしたときのものである。

 

床材はご存じ根太ボンドを使って固定するが、壁にこの床材を付けるタイミングはこのコーキングが固まる前にしてしっかり隙間をなくす処置をしておく必要があるため、床の端にはコーキング処理をするためテープ養生をしてから作業した。

 

そんな感じで一枚目のフロア張りが終わったわけだが、作者の気持ちとしてはこの場所の作業が最も気を遣う部分で、あとの作業はほとんど流れ作業に近いものと思っている。

 

写真は確認のためフロア張りの後それぞれ給排水管がちゃんと通せるかを見たもので、何ら問題はなさそうだ。ちなみに、このフロアで穴開け失敗した給水管の部分はくり抜いた端材を貼り付けているが、結局は造作によって見えなくなる部分であり、右端のフロアが届いていない部分もまた同様だ。

 

作者が最も気を遣った部分は終わっているが、だからといってこの先の作業が全て簡単かというとそういうわけではない。左の写真はフロアをカットするのが最も複雑な部分を撮ったもので、柱の出幅分をカットしなければいけないのと、床下点検口のつなぎ目が綺麗に見えるようカットする必要があったりもした。

 

ここに関して難しいのは形どおり寸法をとって貼りつけてもズレてしまう可能性があることだ。何も考えなければ全ての寸法を直角でとって簡単にできそうに感じるかもしれないが、そもそも最初の一枚からこの点検口の切り口までが直角である可能性は極めて低く、まずどの程度の角度でカットすれば良いかを探っているのが写真にある差し金の固定から察してもらえればと思う。

 

形通りカットできたら後はフロアを固定すればいいのだが、先述の通りここは全ての繋ぎ目に防水加工を施しておく。フロアにボンドをつけて固定する前の段階である程度つなぎ目にコーキングを施しておき、フロアを置いた後でさらにつなぎ目を綺麗にするよう処理していく。

 

表面に見えるコーキングは最悪完成後でも増し塗りすることは可能であるため、出来る限りコーキングが目立ちすぎないよう最低限の量でやるようにしてみた。大事なのはフロアの裏や壁との取り合いの奥深い部分にしっかりコーキングができているかどうかであろう。

 

そんな感じでトイレの床張りの大部分までが完成した。あと残すは実際にトイレを設置して仕上げの素材を組めばいいのだが、トイレ設置は給排水管が通ってからのことにしたため、今報告できるのはここまでということになる。

 

給排水管を繋ぐにはまずルートを確保しなければならなくなり、このトイレの排水でいえば正面玄関の左側、2階への階段があるあたりに通すこととなり、それを先んじてやってしまうと今後の作業が苦しくなってしまうため、時期に関しては慎重に検討しておく必要がある。

 

また、これまで何度がお伝えしたきたように、今のこの作業をしているとほぼ同時に設備屋さんによって合併浄化槽の工事を進めてもらっている。それが完成後にこの排水管も繋げる状態になるのだが、できることならここの排水管だけでなく、囲炉裏部屋の方の台所の排水管も同時に手掛けていくのが理想だ。

 

それら色んな事情を考えるとどうしてもここだけをすぐにとはならず、ここの完成を急ぐ事情があればまた別だが、今後しばらくはここに放置することになると思う。次回以降は流れからいっても合併槽の記事を紹介することになる。屋根屋さんの件といい合併槽の件としい、約半年ぶりにようやくブログ再開して最初の記事がほとんど業者のものによるというのはこのブログの主旨としてもいかがなものであろうかとも思うが、諸事情を考慮してここはご容赦いただきたい。

 

どちらも、作者が仕事をしていない状態であれば自身で手掛けている部分であろうと思う。ただこのブログの更新についてもそうだが、仕事をしている現状でプライベートでの時間を割く時間も必要になっている中、リノベ作業も思うように進まず、ましてブログの更新までとなると、なかなか手が追いつかないが、最近はようやく踏ん張っていくモチベーションが上がっている。

 

このまま少しずつでも更新して納屋の完成までに繋げていきたい。

 

以前に納屋のトイレ準備のブログを投稿してからすでに8カ月も経過している。この間作者のコロナ後遺症などにより約半年の事実上休止期間があったが、今回の記事の内容(写真を撮った時期)は休止をする以前、つまり8カ月前くらいのものであることを了承いただきたい。

 

時間が開きすぎてすでに忘れてしまっていることゆえ簡単におさらいしておくと、もともと納屋の物置だった場所をトイレにしてしまおうという計画で、その第一歩としてもともとの床の解体をし、電気配線をして周囲の壁塗りをした。

 

そしてこの準備その1からはもともと引戸だった部分を全て土壁漆喰塗りに変えてしまおうということで、色々と考えながら作業を進めている。なんやかんやで壁塗り(土壁まで)が完了したため、まだ乾燥が充分にできていないところから床張りを同時進行で進めていったのが冒頭の写真となる。

 

床張りはこれまでも何度もこのブログで紹介してきているため、かわり映えのしない部分はサラッと塩対応で流していくが、少し苦労した部分を紹介しておくことにした。今回苦労した部分は排水パイプのルート決めである。

 

まず、これらの作業とほぼ時を同じくして作者が進めていたことがある。恐らくこのトイレ準備の記事が進んだ後に紹介することになるであろう、合併浄化槽の設置に関しての話になるが、それとこの排水パイプの選択というのが重要になるため、これらについて夜な夜な少ない脳みそを使って悩みに悩んでいた。

 

結論からいうと、母家の単独浄化槽を合併浄化槽に変更することに決めたのだが、そのルートとして、これまでは全ての排水パイプが玄関前のコンクリで固められていた場所に集約されていたところから、納屋の南側の車を停めていたスペースを終着点とすることになった。

 

とすると、母家の全排水パイプを集約したものが納屋の前を通っていくことになり、今後納屋から出る全ての排水パイプもそのパイプに繋げていくことになる。いつも頼んでいる設備屋のアドバイスにより、トイレのパイプは径100が良いということだったため、当初はそれに手洗い鉢の排水パイプも繋げて出口まで引っ張ろうと考えていたのだが、何となく汚水と合流させるのを嫌ったため、手洗い排水は流し台の排水と合流させることとし、トイレの排水は単独で引っ張ることとする。

 

冒頭の写真は何気なくこれまで通りの床張りをしているように見えるかもしれないが、注目するとすればその根太間隔には工夫を入れたつもりだ。この間隔は一見して短いと感じたと思っていただけたなら話が通りやすい。

 

つまり、VU100のパイプを通すための穴を開けることになるのだが、その場所が比較的壁に近くなるということが一点。そしてトイレという重量のあるものを乗せる台としては強度があればあるほど良いのは間違いない話で、最近のトレードではこのあたりの床はベニヤ2重張りをしたりすることも多いという。

 

ただ、今回のプランとして、このトイレの入口にあたる囲炉裏部屋の床とあまり高低差を設けたくないという思いから、床は極限まで薄い造りでやっていこうということも以前の記事で紹介していたと思う。薄い床張りでは強度的に心もとないため、特にこの便器が乗る部分に関して、根太間隔を200ミリ程度に短くして本数を増やして強度を得る方向で考えた。

 

それらを踏まえてこの根太の造りを見ていただければと思う。また、根太とスタイロフォームの張り方については、まずスタイロフォームを適当な大きさでカットしてはめ、その後それにピッタリ沿わせる形で根太を固定する方法をとる。これが古民家リフォームで最も効率的なやり方であると現在は思うに至った。

 

前置きが長くなりすぎるのが作者の悪い癖であろう。あまりにも久々であったため、作者自身も話の内容を振り返りながら整理しつつ順を追ってしまっている。壁塗りに比べてこういう大工仕事は本当に進むのが早い。

 

根太と断熱はあっという間に終了し、その上に捨て張りとなるベニヤを一枚固定した上に総仕上げとなる床材をすでに貼ろうとしている段階になる。当然このトイレにも床下点検口は設けなければならず、これまでとほぼ同様の造りのものを設けるようにした。

 

さて、まだすぐに設置するわけではないが、今回購入したトイレは左の写真のものとなる。これは作者が最も楽しめるアミューズメントパークである西村ジョイで買ったもので、値段はレシートを見なければ思い出せないがかなり安価にゲットしているはずだ。

 

トイレは通常床排水タイプと壁排水タイプに分かれる。作者の場合はリフォームではなく新設なので、自分のやり方次第でどのタイプでも採用可だったが、選んだのは床排水の200芯という最もスタンダードなタイプとした。

 

200芯というのは排水パイプの位置が壁から200ミリの位置に固定という意味で、便器の排水位置がそれ以外の場合は基本つけることができない。作者はとにかくDIYを始めて以来TOTOの信者のようになってしまったから、水回りは基本TOTO製のものを選ぶ。

 

残るは仕上げ貼りとした状態になったら一気に仕上げまでをせず、まずは壁を仕上げることを優先する。やはり全ての内装作業は高いところからというのが基本であり、いかなる場合もこれに忠実であった方が諸事都合がいいというのが作者の結論である。

 

ということで、土壁がある程度の乾燥をみるまではここの作業はお預けとなった。右の写真は土壁を一度裏表で塗った際に若干強度不足を感じたため、急遽縦の貫を後付けしてそこに2度目の土壁を塗り重ねたところを撮ったもの。

 

それも扇風機などで風を当てること数日で、まずは横の貫の部分(塗り厚が薄くなってしまう部分)から乾燥しているところを載せてみた。当然ながらこの縦の貫は土壁に埋もれさせる必要があるため、この後この上からさらに土壁を3度塗りして完全に貫を覆ってからその上に砂漆喰を塗り重ねている。

 

それらが全て綺麗に乾くのに計2カ月弱ほどかかったと思う。表(トイレ側)に3度塗り、裏側に2度塗り、小舞などの厚みを考慮すれば10センチ近い厚みの壁になってしまっている。

 

そして当初の予定に反してここの壁には囲炉裏の間と同じ顔料入りの漆喰で仕上げとした。本当であればここは通常の白漆喰で仕上げるつもりだったのが、顔料漆喰が余ってしまっていた(想定通りともいえる)ため、資源の無駄を省くべくここは妥協点としている。

 

ともあれ、これでトイレの床張りへの下準備は全て完了したといえる。次回は床張りの続編を紹介することになるが、その前に前回のブログで出来上がった下屋の部分に天井を張ったものを軽く紹介して終わることにしよう。

 

これがその天井を撮ったものだが、繰り返しの大工作業になるので工程の細かい説明については割愛させていただく。これまでの他の下屋の天井は全て水平に張り、照明や点検口を設けるスタイルだったのだが、こちら(屋根の修繕をやった箇所)だけはより広いスペースを確保することを優先とし、屋根の勾配になるべく沿う形で天井を設置している。

 

ただ、この方法は水平に張るよりもはるかに難しく、作者は特に1人作業がメインとなるためまず天井の裏側に最初に天井を仮固定できる縁を取り付けておき、それに天井をビス固定した。それだけでは強度的に弱いため、天井板を支える本来の縁となるものを後付けで固定して安心感を得ている。

 

この下屋部分は長さにして1間半あるため一枚の板では長さが足らず、やむを得ず継ぎ足しの形をとった。天井をつけた意図としては直接の外気を少しでも遮断するということがある。将来的にはここに猛禽を飼育する可能性も考慮したが、いつのことになるかは全く未定だ。

 

前回のブログで一度バラした屋根に垂木を打ったところまでを報告した。今回は一気に完成するまでを紹介していこう。

 

冒頭の写真のように、年季の入った屋根屋さんはこんな感じで屋根の端の方まで当たり前のように立ち仕事をする。しかもこれは垂木を打って広小舞を固定しただけの状態でその上に命綱もなく立ち、しかも不必要な木部を両手でノコギリ曳きしているという、作者からすると全く考えられないような絵である。

 

屋根の端に命綱もなしで立つという行為がどれほど怖いか、これはやってみたことのある人でしかわからないことだろう。しかもこの場所は万が一落下でもしてしまうと地面まで5メートルくらいの落差があり、何度でも言うが全く考えられない出来事だと思う。

 

作業は3人がかりで流れるように進んでいく。補修が必要な範囲にある全ての垂木を処理し、そこに新しい垂木を入れて広小舞を固定し、野地板を打ち、その上にアスファルトルーフィングを敷いた状態が右の写真だ。

 

正直に言うとこの納屋の屋根には一切使われていないルーフィングをこの補修の部分だけつけたところで何の意味もないように思え、早めに気づいていたら必要ないことを伝えてその分値段も安く仕上げることができたかもしれないのだが、気づくのが遅かったためやむを得ずこれで良しとした。

 

見積の段階で不必要なものがあればこちらから声をかけて削っていく話をしていたのだが、ここだけをなぜか見落としていた作者のうっかりミスだった。

 

ルーフィングを貼ると残りは瓦を固定していくだけとなるのだが、わからない方のために一応説明しておくと、瓦を固定するには桟木と呼ばれる薄平べったい木を横長に固定しておき、それに瓦を引っ掛けるというやり方をとるのが一般的である。

 

ちなみに以前に庇屋根を造ったとき(そのときの記事はこちら)にも説明したと思うが、屋根材を固定していくのは下から上という順番にやることとなる。これは雨水が下に流れる際に屋根材の下に入り込まないようにするためで、左の写真も役物と呼ばれる一番端の瓦から固定しているところを撮ったもの。

 

瓦の固定の仕方はいくつか方法があるが、この納屋でとられているやり方はご存じの方もいるかもしれないが釘打ちということになる。瓦の固定方法については基準風速などによって釘の使用数などが決められているようで、こういうときにやり方をしっかり見ておくと後々の参考になるだろう。

 

写真のように釘は野地板を貫通して下にむき出しになるように打つため、見た目が気になるようであればこの下に化粧板を貼ったりする場合もある。作者の場合は以前囲炉裏の間の屋根裏に張った(そのときの記事はこちら)ようなすだれ張りをやるべく、材料はすでに揃えてある。が、それを実行するのはもっと先のことになる可能性が高い。

 

そんな感じで瓦を一番上まで固定すると屋根は完成となる。写真をよく見るとわかると思うが、両端にあたる垂木はもともとあった垂木との抱き合わせとすることで強度を高めている。これは打合せのときに作者が要望しておいたもので、浸水によって腐っていた部分を除いて上手く仕上げられている。

 

後で全体像の写真を載せるためそこでも確認してもらえればいいが、新しい材で補修しているためこの部分だけ屋根が浮き上がってしまっている。それだけ古い部分は経年の荷重によっておじぎをしてしまっているということの証左でもあろう。

 

さて、屋根屋さんの仕事はこれにて終わりではない。最初の修繕記事でも触れていたように、最初の作業として屋根と壁の間にある漆喰を取り除いていたため、そこに元々ついていたのと同様の仕上げをしなければいけない。

 

この部分は雨仕舞をするのに重要な部分でもあり、また見た目的にもけっこう必要とされる処理だったりする。この納屋の仕上げは漆喰の上に半分に割ったような瓦を載せているだけのものだが、家によっては瓦を数枚重ねたり結構お金をかけるところもある。

 

最終的に仕上がったのが右の写真。こういうときに使用する漆喰や土の材質は地方や使用する人によって違うため、他の部分と全く同じようにするのは極めて困難なことで、新しい部分の色合いが違ってしまうのは妥協せざるを得ないところだ。

 

ただ、こうやって仕上がってしまうとやはり綺麗で恰好良く見えるため、金銭が許すのであれば全ての屋根を同様のやり方で変えてしまいたい衝動にかられてしまう。これが部分的な補修をした場合には常にモヤモヤしてしまう部分だが、金銭の問題については解決方法がなく宝くじでも当てるしかしようがない。

 

そんな感じで全ての作業が終わった状態がこちら。これまでの崩れかかった屋根にヒヤヒヤしながら過ごす日々とはようやくお別れすることができる。こうやって遠景で見るとよほど注意して見ない限り補修したとはわからないかもしれない。

 

写真ではかろうじて新しい垂木の端が明るい色であることで見分けがつく。先述したように、その部分だけが気持ち浮き上がっているのがおわかりいただければ説明してきた甲斐がある。

 

ちなみに、こちら側の屋根は先住者に不必要と思われていたようで雨どいが存在していない。本来であれば作業の中で雨どいにも加工が必要だったのだろうが不幸中の幸いというかその必要はなかった。

 

ただ、今後の作者の予定ではこの部分にはウッドデッキを設けて軽くくつろげるスペースを造りたいと思っていることもあり、今後どこかのタイミングで雨どいをつけていこうと思っている。その時はまた記事に上げていければと思う。

 

最後に、仕上がった屋根を屋内から見上げた写真を載せて今回は終了としよう。これまでのスカスカだった木材と比べ、新しい材のためまだ隙間がそれほど目立たず、しかも明るい。見ているだけも嬉しくなってくる光景だ。

 

これにより、ようやくここに天井を設ける準備が整った。天井とはいってもこの部分はこれまで下屋にやってきた通常の天井ではなく、屋根の形どおり斜め勾配の天井を貼ろうと画策している。それはいずれまたこちらのブログで報告できるだろう。

屋根の部分的な解体が進んでいる。前回のブログでは屋根を修理するための準備のような内容だったが、今回はちゃんと屋根の修理について紹介していきたい。

 

まずは冒頭の写真の通り、今回修理する部分の解体からである。範囲の決め方だが、まずは折れた垂木を中心に数本分の範囲という点から検証し、さらにダメになっている野地板の範囲を加味した。

 

野地板の範囲ということになると、ほとんど1間分くらいの長さになってしまう。それがちょうど写真にあるくらいの範囲で、これは場合によっては掃き出し窓のある範囲(一間)を越えてしまうのではないかとヒヤヒヤしていた部分だったりする。

 

ヒヤヒヤしたという理由としては、窓のある範囲を越えてしまうとすでに完成している壁の上にある垂木をも交換ということになり、仕上げた壁をもう一度やり直しということになるからで、窓の範囲内で収まってくれたのは不幸中の幸いといったところだろう。

 

作業としてはまず前回のブログで紹介した通り、屋根の起点についている漆喰の部分のバラシから始まった。その後は範囲にある瓦を全て外す作業となり、ある程度進んだところで撮ったのが冒頭の写真である。

 

それら瓦をほとんどはがし終えた時点で2階の窓から状態を確認してみたのが右の写真。冒頭の写真からではわからなかったことだが、これを見れば野地板が暴れまくっているのがわかった。

 

折れた垂木の影響で周囲の垂木に負荷がかかりすぎて次々に折れるという負の連鎖を起こした過程で、折れずとも重量に耐えかねて下に曲がった影響でその上にある野地板、しいては一番上にある瓦までもが波打ってギリギリの状態で機能を保っていたと言える。

 

同じ状態を下から見たのが左の写真で、野地板の隙間が大きすぎて陽の光がまぶしいほどだ。前回お伝えしていた通り、こちらからの写真を見ることで垂木が折れているのがよくわかると思う。

 

写真でいうと奥から2番目のやつが最もわかり易い。それの影響で一番奥のやつも折れているのだが、この写真では少しわかりづらい。手前の方にある垂木は折れてこそいないが、負荷がかかった状態で曲がってしまっており(よくおじぎをしているという表現をする)、先端は広小舞が欠損している関係で腐っていつどうなるかわからない状態で、本当に交換がここまでで済んで良かったと胸をなでおろしている。

 

手前の側の壁の向こうは天井まで完成しているトイレの屋根裏になってしまい、垂木交換となれば壁をやり直しするのはかなりの労力が必要になるし、奥の側の壁の向こうは屋外になってしまうため、交換するのであれば今手がけているのを後回しにするなどして最優先で修繕する必要がある。しかもこちらの壁面はすでに漆喰も仕上げ塗りまでしているため、精神的なダメージも大きかったろう。

 

ともあれ、それら最悪のケースは避けることが出来た。

 

ちなみに、この屋根屋さんの足場の確保の仕方が右の写真でわかる。この方法は地面の具合が良い場所であれば当たり前に見る光景なのだが、実はこの川に面している部分はかなり不安定(げに見える)な石垣が組まれていて、かつ通路としての幅も1メートルほどしかないほど狭い。

 

屋根の軒が50センチくらいはあるため、地面がフラットであればギリギリこの屋根屋さんのようなやり方が成立するとは思うのだが、その地面がでこぼこで踏み固められてもおらず、石垣も崩れない保証がないため転落のリスクと隣り合わせになっている。

 

この場所に関しては後にウッドデッキを組もうと考えていて、数年前に材料となる枕木を購入したのをどこかで報告したかもしれないのだが、それを設置するときにどういうやり方をするか決めかねていた部分でもあった。

 

今回この屋根屋さんが想像よりも安価だったためお任せすることに決めたが、作者の基本スタイルはDO IT YOURSELFである。ただ、ここのところコロナになったり猫を飼い始めたりその他諸々あったりでとにかく時間の確保が難しい。それはこのブログの更新が出来ていないことにも顕著であろう。

 

そういう理由でやむなくプロに頼ったのだが、本筋であればこの屋根も自分で補修をするつもりであった。そのための準備もしていたし、もし自分でやるとしたらまずこの不安定な通路を整地しようと考えていたりもしたが、結局それは実現していない。

 

そうこうしているうちに全ての野地板が撤去された。前回でも紹介した通り、今回はこの暴れていてどうしようもなかった野地板も全て交換することになる。

 

それにしても、建物の中から直に空が見えるというのはあまりない体験で、一瞬すごい解放感に浸ってしまった。これをもし自分がやるとすれば、さすがにプロのように半日程度で全行程を終わらせることはないだろうから(屋根屋さんは3名体制)、確実に雨が降らない休日を探すのに労を費やすことになっただろう。

 

それに今回の作業は順調に進んだが、もし全部をバラした後で思いもよらなかった不具合を見つけてしまったりでもしようものならなおさら時間的に苦しくなっただろうし、DIYでも実際にそういうことが当たり前のようにあることを経験上知るようになった。

 

同じ状態を外から見た写真が右のもので、前回にも紹介した瓦用資材止めに木材を通すことで再利用することになる瓦をいちいち下に降ろしたり上げたりする手間を省くことができる。

 

瓦はかなり重たい上、この3平米弱のスペースだけで100枚近くあるため、その労力を稼げるのは本当に大きく、作者的にはこれで足場を簡単に作れてしまうのが何よりうれしいと感じられる。それはこの納屋の一連のDIYでも最後のほうの工程になるであろう2階外壁の壁塗りの際にも大いに活かしていきたい。

 

プロの仕事は淀みなく進んでいく。全てをバラした後はサクッと垂木を固定した。この垂木、実は作者もここの補修用に用意しておいたものがあったのだが、もともと使われていた垂木を参考に安価なものを購入していた(材のせいが50ミリ程度のもの)のだが、プロから見るとそれでは不安だったようで、結局この垂木に関しては用意してもらった。

 

最初の打合せの際、垂木の長さが2メートルでは足りるかどうか微妙だったため、3メートルものを持ってきてもらい余ったものはこちらで再利用することにしていたのだが、作業後この垂木を測ってみると材のせい(高さ)が60ミリ近くあるものを使用していた。

 

最後は室内から見上げた垂木を見て今回は終わろうと思う。ここまで来れば屋根作業はあと一息といったところで、作者一人でもさほど時間はかからないだろう。

 

ということで、次回にて屋根補修は完成である。作者も自分の作業をしながらこの室内から見上げる青空を堪能しているが、それができるのもあと少しである。このブログを開始してから自分でも出来ることを業者に頼んだのはこれが初めてであり、作業の過程を見るのもこれまでにない複雑な気持ちが入り混じっている。この空を見ながらそんなことをふと考えていた。

前回のブログで漆喰塗りの残りが東面2階外壁を残すのみとなっていることを報告した。冒頭の写真でそれがどのくらいの範囲なのかが一目瞭然と思う。この東面は遠くから近づいたときに最初に目にすることになる面であり、現状では悪い意味で目立ってしまっている。

 

ただ今回のブログではそのことが焦点ではない。この写真を見て壁塗り以外の点で何か違和感を感じないだろうか。以前にもどこかでお知らせしたことがあったかもしれないが、実はこの写真に写っている下屋根が今にも折れかかっていて、可及的速やかに修理が必要な状態となっていた。

 

と言えばすぐにわかるだろう、下の屋根の真ん中あたりが少し落ちかかっているのである。これが下屋根の最大の弱点かもしれないのだが、上の屋根に積もるほどの降雪があった場合、それが融けて落ちる際に下屋根に直撃してしまって垂木が折れるという事故が大量に発生するらしい。

 

この東面の下屋根は作者が購入したときから少し折れかかっていて、スキルのない当時はかなり心配していたものだ。だが、ある程度スキルを身に着けた今となっては、このくらいの補修であれば自身でやれると踏んでいた。

 

ただ、プロの視点で少し意見を聞いてみたいと思ったため、いくつかの業者にこの屋根の修理見積を出してもらった。そのうち1つを除いた業者は足場の悪さを気にし、安全性確保の観点から足場の設置だけで20万円くらいの見積を出してきたほどここの足場は悪い(総額は3〜40万円ほど)。

 

見積を出してもらう過程で色々な方法や屋根の修理の仕方などを教えてもらった。それらを聞いて私が思っていたやり方がほとんど間違っていなかったのを確信し、DIYでやることを半ば決意して必要な材料を購入しておいた。

 

が、最も忙しそうだった個人経営の屋根屋さんが最後に出してきた見積が想像のはるか下をいく値段だったため、自分の作業に充てられる時間とを天秤にかけて、その屋根屋さんに頼むことに決定した。

 

その屋根屋さんはこの程度の足場の悪さなら日常茶飯事で脚立だけあれば充分やれるという判断で、足場にお金がかからない分金額も10万円と安価だったのだが、地域で非常に有用にされている優良業者らしく、今現在70件待ちとのことだった。

 

少し聞いたこともないほどの待ち件数だが、これを依頼したのはほぼ一年近く前の冬の終わり頃で、昨年は集落の古老も未経験レベルの大雪が続いたせいでこれと似たような状態の屋根破損が大量に発生しているらしい。

 

ということで、そこまで急いでいない状況でもあったため、購入した材料は施主支給という形で材料費から引いてくれる形でその業者にお願いした。普通、施主支給というのは嫌がる業者が多いのだが、その屋根屋さんはむしろ安くするためにいくらでも受け付けるという姿勢で嫌な顔一つせず、このあたりも依頼が殺到する理由だろうと思う。

 

前置きが長くなったが話を進める。右の写真が実際に垂木が折れかかっている下屋根の状況である。この部分は垂木を支えている棟材からの出幅が1メートル近くもあり、通常のものより少し長めになっているのも損傷を受けやすい要因といえる。

 

写真からでは少しわかりにくいが、ほぼ完全に折れる一歩手前の垂木を中心に、割れて折れ始めている垂木が2〜3本、それらのために負荷がかかって曲がってしまっている垂木が5〜6本ある。

 

建物の屋根から大量に雪が落ちた場合、ここはどうしようもない損傷を受け続けることになるだろう。これは外の状況を撮ったものだが、次回のブログでは内側からみた屋根の状況をお見せする予定だ。

 

一言で言ってしまえば、この折れかかった垂木と周辺の垂木数本を丸ごと入れ替えることができればここの修繕は完了ということになるが、言うは易しでそうは簡単にはいかない。実はこの写真では見えにくい場所になるが途中で広小舞が折れて瓦一枚分欠損してしまっている部分があり、そこを起点に雨水などが入り込んで周辺の木を腐らせてしまっていた。

 

つまり、周辺のある程度の範囲を絞ってそのへんを全て交換してしまわないとこの修理は完遂できないということで、交換の目安としては広小舞の端からやったほうが色んな点から良いということになり、結果的に窓のある1間分(約2メートル)くらいの範囲を全て替えてしまおうということになった。

 

さて、屋根屋さんの工事風景を載せておこう。作者はちょっと驚いたのだが、個人経営の業者がこんな専用のクレーン車を所持しているとは思わなかった。これがあれば地域の大抵の屋根に関する依頼をクリアすることが可能になるだろう。

 

このクレーンはただ屋根の上に水平になるようにパレットを載せるためだけの用途に使われる。だがそのことが作業効率化に最も重要な部分で、屋根を構成している材料には重量のあるものが多く、それらをバラシて運ぶ作業が最も体に負担がかかりかつ時間も浪費してしまう部分となることは容易に想像がつく。

 

実際、このパレットには壊す部分の漆喰の土を乗せて下に運ぶだけのために使われていた。作者は経費を浮かすため、廃棄費用がかかるもの(修理後出た木材片など)を全てこちらで処分するようにしていたのだが、この土の処分はサービスでやってくれるとのこと。処分費も高騰している昨今、とても良い屋根屋さんだ。

 

屋根屋さんはほとんど全てそうだと思うが、こういう恐怖を感じるレベルの屋根に命綱なしで当たり前のように動き回っているのにはほとほと敬意を抱かずにはいられない。

 

この屋根屋さんも折れかけた部分の屋根に何ら躊躇なく乗って作業を開始していた。まず最初に手をつけたのが右の写真の部分だが、これが何かおわかりだろうか?

 

これは瓦用資材止め(かわらようしざいどめ)という金具で、屋根修理をするときには必須になるもの。これを瓦に引っ掛けて板をセットすることで簡単な資材を落ちないよう乗せたり、場合によっては人の足場にもなるスグレモノだ。

 

これは作者が今後この屋根に登って何らかの作業をする際の大きなヒントにもなった。これまで西南北面の屋根に登ったときは足場を気にする必要がなかったため、伸ばした脚立を2つ組み合わせて足場にしていたのだが、その手はこの東面では使えない。

 

どうするのがベストか必死に考えていた作者に一発回答を与えてくれたのがこのアイテムで、屋根屋さんが使っているのを見て色々話を聞いた作者はすぐに同じような商品をネット注文していた。

 

その資材止めを実際に活用しているのが左の写真でもわかるだろう。このような形で命綱(安全帯)もなしに作業している職人さんというのは、今の世の中ではこういう田舎の昔ながらの個人経営の工務店でしか見られないものかもしれない。

 

今はどこの現場でも足場に対する規則や安全帯の着用義務などに口やかましくなっているのが現状で、もちろんそちらの方が安心して働ける職場であることは間違いない。ただ、こういう古臭い仕事を目にするとある種の感動を覚えてしまう瞬間もあったりする。

 

ただ、屋根屋さんというのは仕事上こういうことはよくあるケースでもあるようで、命綱の確保のしようもないような屋根の端まで降りて作業することだってザラにあるようで、それを恐れているようではこの仕事は務まらないのだろう。

 

作者などは少し上がっただけでも恐怖で足がすくんでしまう。そこで作業するための安心感を得るために足場と命綱は絶対必須のもので、これは屋根の上に登ってみて初めてわかることじゃなかろうかと思う。

 

ここからは今回の屋根修理に使う資材を簡単に紹介してみよう。右の写真の木材が上述の広小舞というものである。この材料は瓦屋根の一番端に付ける材料で、わからない方のために瓦屋根の構造について簡単に記しておく。

 

瓦屋根の起点となる材料は棟となる。棟というのは家の長辺に向かって一番高いところに固定される材のことで、切妻屋根であれば通常一番高い棟木から低い棟へと向かって勾配を描きながら造られる。今回のブログのケースでは下屋根(げやね、したやね、げやともいう)ということで、これは2階部分の面積よりも飛び出た形になっている1階部分の天井にかかっている屋根ということになる。

 

今回の下屋の構造でいえば、通常であれば壁の部分に棟の代わりとなる材を起点として垂木がまず掛かっており、その上に野地板、さらに最近では野地板を2枚重ねにしたりベニヤを重ねたりすることも流行っているようで、その上にアルファルトルーフィングという防水材を敷き、その上に瓦桟を打ち、それに瓦をひっかける、というように意外と手数が必要。

 

翻って今の我が家の構造では垂木、野地板1枚、瓦桟、瓦という超シンプル構造だ。話を戻して広小舞についてだが、これは野地板の一番外側に付ける材料となる。通常のパターンでいえば一番外側にはさらに鼻隠しという雨垂れを引き受ける材がつくのだが、この建物にはそんなものはない。その結果が今回の屋根損傷の一因にもなっているかもしれない。

 

左の木材は先ほども説明した垂木というもので、昨今のウッドショックによって高騰した値段が未だに下がらない代表格のような材料だ。その理由は垂木に使われる材種として米松が使われることが多くなっているためで、名前の通りアメリカ産の松ということになる。

 

ウッドショックの起こりとしてそもそもアメリカや中国で建築特需のような状態になったのが始まりと言われていて、当然のようにアメリカ産の材である米松やツーバイフォーと言われる規格もの全てが一気に暴騰したのは記憶に新しい。ほとんど寝耳に水の話で、実際は徐々に傾向があったのだが、体感としては一夜にして値段が3〜4倍になってしまった感が強かった。

 

最後に紹介するのは施主支給とさせてもらった野地板である。この野地板は作者が足しげく通っている西村ジョイで特売だった商品で、あまりに安価だったため鎧張りもこれでやってやろうと1束20枚くらいだったかの量の野地板を6束くらいまとめ買いしていたもの。

 

結果的に今回の屋根修理は自分でやらないことにしたが、購入したぶんだけ施主支給という形をとらせてもらった。この野地板が特価だったのはその規格にあり、厚さが11ミリほどしかない。

 

通常の野地板では少なくとも12ミリの材が使われるため、気持ち程度強度は落ちることになる。だが、それによって損壊したとしたらその次こそは作者の出番となるであろう。今回の職人の一連のやり方をじっくり拝見させてもらえたため、ゼロから葺き替え以外のことであれば楽にできるだろう。

 

と、そんなところで今回は終了ということにする。次回からは本格的な工程がお伝えできればと思っている。