日本に棲む淡水魚と遊ぶブログまとめ

生きもの調査2

ブログを始めたときに宣言していた通り、河川内部の調査に出かけた。

 

まずは写真のとおりの場所なのだが、ここは私がよく通っていた20数年前はもっと水量が多く、写真左半分に見えている木などは存在しなかった。つまり、この木の部分とそれが根をおろしている岩のあたりは完全に水に覆われており、潜ったときにこの岩の周りにたくさんのオヤニラミがいた場所である。

 

期待半分、喪失感に襲われる予感半分で現地まで行ってみたが、現地は荒れ果て、水量は半分以下にまで減少し、もはや人が川に入ることは全くないような状況になっていた。

 

もっと下流の深みのあるあたりでは昔よく橋から川に飛び込む子供をみかけた(かくいう私もその一人だが)ものだが、今は昔、遠い思い出にならざるを得ない状況といえる。

 

水量が減っているのは必要以上に多い砂防ダムや森林伐採・植林が行われている日本全国での傾向といってよいが、戻ってきてから色々と見て回った感触としてここ広島県内の山という川全てにもそれが当てはまっており、もの悲しい気持ちにさせられる。

 

全国いろんな川を見てきているが、現地の方に聞くと実に多くの場所で水量や生物種の減少を嘆く声をきくことができる。遊びに行った場所でそういう話を聞くのも悲しいが、所詮は他人事であった。来訪者である私は結局、今ある現況の川で自分が楽しめる場所に行けばいいのだから。

 

しかし、自分の思い出の場所であり、原点でもある場所に同じことが起こってしまっているのを目にし、言葉では表現できないほどの喪失感に襲われてしまった。

 

この様子では水中に潜るのが怖い。潜って中の様子を見たときにもっと大きな喪失感に襲われることが目に見えるようだからだ。私はともすれば見たくないと引き返そうとする自分を懸命に押しとどめた。今私にできることは現状を見て、これからのことを考えるしかない。

 

正直、出発前の半々だった期待値は暴落し、魚との出会いに期待をする気持ちなどヒトカケラも持てないまま調査を開始した。左の写真は入渓ポイントになる場所だが、左一面に茂っている葦などは存在していなかった。

 

まず、川に入って最初に目についたのは大量に棲息するカワニナである。知らない人のために補足すると、ホタルが幼虫であるときのエサになる巻貝だ。これがないとホタルはその場所に棲息できない。昔もこの川には多くのカワニナがいたと記憶しているが、数だけでいえば今の方がはるかに多くなっている。

 

その代わりというかやはりというか、魚の数に関しては一瞬絶望的な気持ちになるほど、パッと見では見当たらない。皮肉なことだが、魚が少なく小さくなったぶん、カワニナが大繁殖を遂げているといえるのかもしれない。

 

しかし、ここからが調査の本番である。都市でいえば最初私はメインストリートといえる大通りの部分だけをざっと俯瞰してみた。上の感想はそのときのものだ。次は流れ込みや岩石の下、スキマなども丹念に調べる。すると・・・・・・

 

サイズは川幅に合わせて全体的に小さくなっているものの、たくさんの種類の魚がまだいるのだと気づく。興奮を抑えながら夢中で魚を追い求めた私の目にざっと入ってきた魚種だけでも、アマゴ、アユ、ウグイ、カワムツ、ムギツク、カマツカ、チチブ、ドジョウなど昔とほぼ変わらない基本種の魚は未だに健在であった。よくよく探せばそれなりのサイズのものもいる。種類についてはこちらで参照していただければと思う。

 

残るは川魚四天王をなんとしてでも発見したい。この川でいう川魚四天王とは、オヤニラミ、アカザ、ギギ、ウナギである。数は少ないが、昔は見ることができた貴重な種たち。

 

このクラスになると普通に水の中を泳いでいるだけでは滅多に見つかることはなく、草が生い茂った場所や、流れ込みの岩の間、石の裏や泥砂の中など一筋縄ではいかない場所に隠れ住んでいることが多い。無茶な調査は住環境の破壊にもなるため、慎重さも必要となる。時期によっては卵を守る必要もある。

 

まずは私が最も好きなオヤニラミにターゲットを絞って探してみた。昔であればこのあたりは水量があり、大小の岩など住処になる場所が広く、かなりの数が棲息していた。よくオヤニラミ用の罠網が仕掛けられていたほどで、潜るたびに捕まった個体を開放していたものだ。今はそんな場所はなくなっているが、逆に荒廃によって草木が伸び放題になり、流木がたまっている場所がそれなりにある。

 

あたりをつけた場所を根気よく探していくと私の姿に慌てたのか、流木の影に猛スピードで入っていく魚影が視界の隅に入ってきた。あまりの大きさに興奮しつつゆっくりと近づくと、10センチ以上もある大型のオヤニラミが悠然とたたずんでいた。

 

少し興奮しすぎて撮影に時間を使いすぎた。その後もあたりを見ていくと超大型のやつが数匹確認できた。他の魚種は小型化しているのに比べ、この魚だけは昔よりも明らかに大型が増えている。なぜだろう?環境の変化により逆に敵が減った結果としてそうなっているに違いない。昔はもっと大型の基本種が多くいたため、エサの取り合いが熾烈だったのだろうと予測できる。

 

オヤニラミに時間を使いすぎたため、他の四天王に関しては後日のことでいいという気になってきた。というか、残りの3種に関しては、昔でさえ本当に数が少なかったため、今となってはほぼ期待できないだろう。だいぶ上流まで遡り岩の間など確認してみたが、今回は発見できなかった。

 

次回のチャンスに期待しよう。

 

 


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