日本に棲む淡水魚と遊ぶブログまとめ

生きもの調査4

天候悪く、タイミングも悪い。細見谷本流でも調査をしたくて機会を狙っていたが、今日のようないい日を見つけるまで日を要してしまった。

 

本日はついに細見谷でゴギとご対面を願うということで装備はカメラのみだが、ある程度登山後の沢登りになるため登山装備と沢登り装備を持って行く。そのため無駄に荷物が嵩張っている。

 

今回は恐羅漢山スキー場の宿泊施設などがある通称「二軒小屋」あたりに車を停めての出発とした。ここからだと前回の吉和側入口から3時間ほどかかって着いた折り返し地点まで30分とかからない。

 

一応、違う山からのルートなので最初はちょっと登りになっているがすぐ節目の峠に行きつき、中盤以降から入渓地点までのほとんどが下りになっている。釣りや探索などをして遡行していき、尾根まで出たらちょっと下って終わるという普段あまりやらなかったようなルートだ。

 

山の中はもうすっかり夏から秋への移行を始めている感じで、歩いていてもそこかしこでひっきりなしにトチの実などが落ちてくる。あまり経験のない人は少し驚くかもしれないが、静寂の中ひとりで歩いていると、突然木々のざわめきと共にボトボトッと落ちてくるのだ。

 

トチの実は渋みと苦みが強くクマなどが好んで食べるものではないが、このあたりにはクマの好物であるブナの実なども豊富にあるため、そういう実を狙って木登りをして食べることも多いと思われる。

 

今回はそういったクマの痕跡(幹に付いた爪痕や樹上にあるクマ棚)を見つけることはできなかったが、それを目的として来てみるのもアリかもしれないななどと思いつつ進んで行く。

 

前回にも書いたが、このあたりの渓畔林は広葉樹にとって最後の楽園のようなものである。写真はサワグルミだが、その特徴的な葉の並びようですぐにそれと判る。生育に何百年もかかるこれらの木だが、歩いていると次世代の若木もたくさん見つけることができた。

 

道中ひとつだけ残念なことがあった。十方山林道(廿日市の管轄)は無期限中止になったと聞いていたが、思いっきり林道工事が入っている。前回通った場所で草ボウボウの獣道だった場所が、車1.5台分ほどの幅で整地されている箇所が数か所あり、将来的にその全てが繋がるということがわかった。

 

これは廿日市側ではなく安芸太田側の林道工事のようで、あまりの破壊っぷりに一瞬絶句してしまった。削っている林のなぎ倒された部分にはトチノキなどの若木があるのも散見できたからだ。

 

ちなみにここの部分の道路拡張工事をしたところで、廿日市側が整備されてない以上貫通された道には絶対にならず、まともな目的で使う人はまずいないはずの場所である。ごくまれに杉の木にキープアウトの黄テープが巻かれているあたり、ほそぼそと林業業者が入ることがあるという程度のものだろう。その林業すら採算が合わず実質ほとんどやれていないと聞いている。

 

従ってこれは破壊のための破壊としか思えない。道を作りたければ他に候補はいくらでもあるのだ。例えば恐羅漢スキー場までのあの危険極まりない細い道。なにも最後に生き残っている残り僅かしかない渓畔林を削る必要が本当にあるのだろうか。

 

正直、こういう本物の自然がなくなってしまえば、こういう田舎の価値というのは本当になくなってしまうと私のような人間は思ってしまう。即効性はなく、表面上のダメージはないが(ほとんどの人は興味ないため)自らの首を絞める行為といって差し支えない。

 

また話が脱線してしまった。気を取り直して調査の話を進めることにする。本日の釣果は全部で10匹ほどで、ほとんどがアマゴであった。細見谷の下流(立岩ダムに注ぐ少し上流あたり)で釣りをしたことがあったが、そのときはアマゴしか見れなかった。

 

上流にいくとゴギがいるとわかってはいたが、本日お目にかかれたのはどれも15センチ未満の子供ばかり。イワナの中でも特にゴギは小柄なのだが、それにしても小さい。アマゴと混在し、アマゴのほうは20センチ上クラスが数尾コンスタントに上がっているところからして、アマゴとの分布域勢力争いに押され気味なのかもしれない。

 

標高が低く、水温も計測地点で14℃とやや高めであったため、アマゴとの混成は致し方ないだろう。ともあれ、広島に戻ってから初のゴギとの対面となった。あとは産卵床と目ぼしいところをチェックしておき、秋の深まった時期にもう一度来てみたい。

 


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