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滅びゆく木造校舎

前回のブログで我が家のパソコンが壊れていた話をしたが、今回の記事はちょうどそのくらいの時期に行ってきたイベントについてまとめてみた。約1カ月も近いほど前のことなので、知っている人がいたら今更な感じがするかもしれない。

 

そのイベントというのは私がこの安芸高田市に移住したときにはまだ現役で使用されていた小学校で開催されているもので、趣のある木造校舎を残したいというプロジェクトのもと、有志によって運営されているようだ。

 

このブログを始めてまだ間もない頃、市内にある向原という場所でアート祭りなるものが開催されていることに触れた(そのときの記事はこちら)ことがある。このあたり独特なものなのか筆者は知らないが、田舎を盛り上げようとイベントをするときに「アート祭り」と銘打っていることが多い。

 

こういうイベントではメインとなるような催し物はもちろん、バザーや出店なども数多く参加しており、また田舎ならではかもしれないが公共の出し物(今回では消防車が出動して子供たちにホースで水を噴射してもらうようなゲームをしたり)もあったりする。

 

とかく娯楽の少ない田舎においてこういう催し物は人気があるようで、それなりに賑わってはいるのだがかといって都会での催し物ほど人で溢れかえっていたりすることもなく、適度な混雑ぶりで楽しめるのでオススメしたい。

 

私はといえば、多少の出店ひやかしもあるがやはり一番気になるのは木造校舎であり、今回はそのことについてメインにレポートしていこうと思う。

 

この小学校は安芸高田市の郷野(ごうの)地区にある小学校で、そのまま郷野小学校という。調べてみると、どうやら廃校になった当時で日本全国で2番目に古い校舎であったらしく、それが現役のまま今日に至っていることは素晴らしいの一言である。

 

国内で今も現役で使われている木造校舎の数は30に満たない上、年々廃校などで減ってきている状況らしい。私は国内旅行をすることが多く、行く先々で色んな古い建物を見ることを趣味としている。

 

そういう人間からすると、やはり古い建物の価値というものは「現役で使われていてこそ」という気がしている。文化財や見学のみの建物よりも、実際に稼働しているということへの感動は筆舌に尽くしがたい。

 

そういう点で最近廃校になってしまったのは残念だが、こういうイベントなどでも門戸を開けて人を入れ実際に使っていくことで現役感を維持していくことはとても意義あることのように思える。

 

自分自身の歴史を振り返ってみると、小学校2年生の途中までは木造校舎で学んでいたことを思い出す。その母校の木造校舎は残念ながら在学中に取り壊され、コンクリートの新築に生まれ変わったが、新しいほうの校舎には全く思い入れを感じないのは変なバイアスがかかっているだけとは言い切れないものだと思う。

 

私の出身校は都会にある全校生徒が1200人を超えるようなマンモス校だったので、大きさの点からも木造校舎であり続けることは無理だったであろう。ここ郷野小学校がこの形態を維持できた理由の一つには全校生徒数が少なかったということもあると勝手に理解している。

 

しかしこの趣はどうであろう。右の写真と上の写真は階段を上る前と上ったところを撮ったものだが、こんな階段であれば上り下りするのも楽しくてしょうがないではないか。木造の大型施設の材料を現代で集めて同じものを造るとしたら途方もない金額になる。それだけに是非とも残し続けてもらいたい。

 

イベント自体の話に戻るが、2階建て校舎の各教室では左の写真のように出店している人たちで占められ、なかなかの賑わいだった。田舎ならではの薪ストーブの制作販売などのブースもあり、見るだけでも十分に楽しめる。

 

こういう形でイベントが成立するぐらいであれば、いっそのことショッピングモールのようにして常時人が出入りするスタイルにするのは難しいだろうか?言うは易しなのかもしれないが、そんなことを妄想してみたりした。

 

現代っ子がどうかは知らないが、私が学生時代のころにはこういう学校に据え付けてある水道設備から直接水を飲んだりしたものである。中学、高校にもなると部活動なども活発になり、大汗をかいた後でこういった水道水を飲むときが最も幸せな瞬間だったりした。

 

この写真の構造をみてもそのときと同様、水栓(蛇口)が360度回転するタイプのやつで、この下向きのやつを上に180度ひっくり返してそこから直接水を飲むのは同時代のほぼ全ての生徒がやっていたことのように思う。

 

校舎めぐりで最後に回ったのは図書室だった。今回のブログでは掲載しないがこの図書室、かなり広い畳の間になっていてこれも独特な雰囲気があった。最後の写真はその図書室の傍らで発見したかなり懐かしいアイテムである。

 

これはひょっとしたら地方によってあるないが別れてしまうモノかもしれないが、我々の地方ではこれを「代本板(だいほんばん)」と呼び、図書室で本を借りるときに本を抜いた位置がわかるようにこの木の板と差し替えるようなシステムになっていた。

 

地域によってはこの代本板は生徒各個人に配られ、背の部分に名前のシールを貼って使っていたところもあるようだが、私の母校ではここの小学校と同じで図書室に置いてある板を位置の目安のためだけに使っていたと思う。

 

今回、この場所でこれを目にするまで代本板という名前やその存在などまるで頭の中になく、およそ35年ぶりくらいに存在を意識することになった。あまりにも急に出会った懐かしさのため、名前がすぐに思い出せず、ネット検索で確認することになったのは言うまでもない。

 

来年も開催すると思われ、興味のある方は参加を検討されてはいかがだろう。

 


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