日常に起こった色々なことのブログまとめ

水害レポ

2021年8月に安芸高田市を襲った水害は想像のはるか上をいくものであったようだ。ここ数年、毎年のように「過去に経験したことのないような大雨」というフレーズを聞くが、今回のものは我が集落を襲った中でも過去最大のものだったと古老も言う。

 

しばらくこのページの本題である古民家ブログの更新が進んでいないが、軽い夏休みをもらっていたのに近いかもしれない。この間に私が何をしていたかというと、ひらすら魚獲りを繰り返していたことをはじめ、京都旅行、コロナワクチンでダウンしていたりとあまり古民家DIYが進んでいない。

 

ただ、今回の水害だけは記録的な意味も込めて簡単なレポを載せておこうと久々に筆をとった次第である。冒頭の写真はすでに雨が降り始めているところで、この時点ですでに水位が数十センチ上がっている状態だ。

 

レポのメインはこの写真のとおり、我が家のすぐ下を流れるO川という小渓流についてしようと思う。というか、今回の水害は被害が大きすぎて私自身この集落の外に出れなかったため、これしか残した記録がないのが実際のところ。

 

いきなりだが右の写真はそこから水位があっという間に上がったときの状態。これは13日の午前8時くらいの状態を撮ったもので、この日は朝の3時くらいから避難レベル4のエリアメールが鳴りっぱなしで、まず寝不足だったことは周辺全ての人にいえたことだと思う。

 

水が流れるときの「ゴーーッ」という音はもちろんのこと、数十秒毎に「ゴーーン」「ドーーン」という遠くで雷が落ちているような音が聞こえる。川底の大きい石が川床からはがされ、流され、大地や壁にぶつかるときの音だ。

 

ここまでの間なにもせず様子見していたわけではなく、水が溢れてくる直前までには避難するつもりでしっかりと準備を整えていた。恐らくこの集落内にいる限りは命の危険はかなり低いはずなのだが、安全に生活が行える場所(実家など)でやり過ごすのが最も賢い選択だと思っている手前、ある程度は早めに避難しようという心積もりだった。

 

そしてそこから30分経たないうちに今回の水害のピークを迎えることになる。左の写真は結果からいうと今回最も水位が上がったときを撮ったもので、橋を呑み込むまではいかなかったが所々水しぶきを上げて流木などが打ち上げられるくらいだった。

 

この写真ではわからないかもしれないが、川向うの隣家の裏庭にはもう川の水が直接浸水し始めており、避難をするならこのあたりだろうと夫婦で用意していた車に乗り込んだのもこのあたりである。

 

我が集落は山に囲まれた普段はのどかな山村といった風情なのがいいところだが、今回わかった欠点として、集落内にいる限り外部の様子が全くわからないということが挙げられる。

 

集落から外部に通じる道はT川という氾濫しやすい川に沿った道を通るしかないのだが、この時点ですでにその道は全て濁流に呑み込まれていた。半分は想像した通りと言えるが、想定外だった残りの半分は、山の高い側に進むことも出来なかった点だ。

 

右の写真は外部に通じる道のうち山を貫通したトンネルがある迂回路に通じている道だが、ここは私が避難しようとしたピーク時、写真にあるような土砂崩れが道路全面に拡がっていてとても通行できる状態ではなかった。

 

それ以外の道に冠水している濁流は直接川からのものもあれば、その反対側の山側から滝のように落ちてくるものや、側溝から溢れ出たものもかなりの割合を占めていた。そのため、登りをしようとした私の車はすぐに水深4〜50センチくらいの流れの中にいる形になり、全くタイヤが回らない瞬間もあったりという恐怖体験だった。こういうところこそ写真を残しておきたいものだが、あいにくその余裕は命と天秤にかけるほどのものではない。

 

すぐに外部避難は諦め、家で水位が上がるまで凌ぐという方向に切り替える。この集落には高台の開けた場所に神社があり、そこまでは車で行けるため命の心配はあまりしていなかったが、それは本当に最後の手段としたかった。ただし、いつでも確実に避難ができるよう、車はより一段高い道路上(自分たちしか通らない道)に待機させている。

 

結果的にこれ以降の降雨量が減ったため、このときが最大といえる状態だったが、集落内が落ち着いてからほぼ丸一日は外部への道は完全に遮断され、完全孤立状態になってしまっていた。停電が起きなかったのが何よりの幸いだったといえる。

 

だが、水位がある程度おさまった時に集落を見まわして愕然としたのが左の写真である。これは我が家から50メートルほど下ったところだが、川が道路を洗い流してそこに一緒についていたブロックがむき出しになっており、そこに頼りなさげに辛うじて電柱が踏ん張っている様子だ。

 

一日開けて周囲の道路が通れるようになり、中電工が様子を見に来ていたが、これをどうやって修復していくのだろう。そんなことより、もしこれが倒れたりしようものならどの範囲が停電になるのか、考えるのも恐ろしい。

 

また右の写真は以前、我が家を購入した時に記念植樹として植えていた(そのときの記事はこちら)梅の木だ。ここまで順調に育ってくれていたのだが、今回の大雨で倒れ込んでしまっていた。

 

折れていると思ってかなりガッカリしたが、実際は植えていたところの土が水でえぐり取られて支えがなく横に向いてしまった感じで、まだ死んだわけではないと思いたい。が、まだそこまでの確認もできず(草刈りをそろそろする予定のところだったし、雨も降っている)、ひとまずの応急処置として土をかけて踏み固めて直立させておいた。

 

さらに私を襲った不運が左の写真でわかるだろうか。水害ピーク時から丸2日が経ち、今後も続くであろう雨に備えて食料の買い出しにスーパーに寄ったときのものである。

 

このスーパーに辿り着くまでも通れる道を選びながらの道中でストレートに来れたわけではなかったが、ちょうど駐車場に入るかどうかというタイミングでやけにハンドルに力が伝わっていないような感覚に襲われた。

 

駐車場まではなんとかゆっくりつけれたため確認してみると写真の状態だったという感じで、わかりづらいかもしれないが、タイヤがこの写真の部分だけ外に向いて固定されてしまっている。

 

固定されているというより、ハンドルの動きを伝える軸になっているパーツがタイヤから外れてしまっていて、軸が反対側のタイヤにしかついていないため地面をひきずってしまっている状態だった。

 

どうやったらこんな状態になるのかわからないが、とにかくこの過酷な環境の中、出先でどうにもならない故障を余儀なくされるというありえない不運にみまわれるなんて、余程運がいいのだろうか。

 

非常にありがたいことに、いつもお世話になっている車屋さんが盆休み中であるにも関わらずすぐに駆けつけてくれ、代車を借りて後は全て任せることができた。こういう話は田舎ならではのことかもしれず、九死に一生を得た気持ちだ。

 

そして最後にだいぶ川の水位が下がった状態を載せて終わりにしよう。毎日この川を見ている身として、この状態はかなり違和感がありとても残念な気持ちになってしまう写真である。

 

以前のブログの中でこのアングルに近い状態で撮ったものがあるのでこちらと比較してみてほしい。前は川を一段上がった土手の部分が草の生えた土で形成されていたものが、今はほとんど洗い流され、この石垣を作った初期の状態がむき出しになっている。

 

自分自身、ここがこんな形だったとは思ってもいなかったが、雰囲気の良かった川の中の陸地(草が生えていたりして淡水魚や水生昆虫の住処になっていた)が全てごっそり削り取られるという悲惨なことになった。

 

今回の水害で私的に一番ショックだったのはこの点であり、今年はパッと見ただけで周囲に100以上の乱舞が見られたホタルも、これでは来年以降ほとんど壊滅状態になってしまうのではないかと心配せざるを得ない。

 

この草一本とて生えてない川を今後どうにかして元あったような状態に戻していくことができるだろうか。そんな活動もやっていければと思う。


関連ページ

17/03/01 中関東南端の落日
関東で15年ほど過ごしたが、実はあまり太平洋側に遊びに出たことはあまり多くなく、見納めでもあった
17/04/23 アート祭りin向原
アート祭りと聞いて、なんとなく敷居が高そうなイメージを持ちながら
17/04/25 雇用保険説明会
失業手当を支給されるのはありがたい限りだが、早めに今後の仕事も方向性を決めておきたい。
17/04/25 ネット通販の罠
今、巷でネット通販を悪質利用した大規模な詐欺が横行している。私も、自分だけは大丈夫だろうと思っていたうちの一人だ。
17/04/29 久々の瀬戸大橋
四国村というのは四国圏内にかつてあった古民家を一つ処に移築し、展示してある村の総称で、四国の伝統と文化に触れることができる人気スポット
17/05/05 350年伝統の祭り
市入祭ではこども神楽といって、立候補した地元中学生による歌舞伎が神輿で演じられる
17/05/31 ネット環境不具合の報告
私の住む吉田にはツバメが多く、毎日のように目にしながら過ごしている
17/06/02 安芸高田の神楽
安芸高田随一の集客施設である神楽門前湯治村に足を伸ばしてみた
17/06/10 ほたる祭り
田舎で暮らしていると四季の移り変わりを肌で感じる機会が多くなる
17/05/04 ファミリー牧場
安芸高田の東端、向原をさらに山ひとつ超えて、東広島あたりを走る
17/07/01 ほたる三昧
活動範囲内でほたるの群生地を探しまくっている
17/07/07 ほたる鑑賞打ち止め
偶然の日に偶然ラッキーな形で発見したのが「ホタルのトンネル」であった
17/07/15 一心祭り
毛利元就の教えである「三矢の訓」を武者絵巻という伝統として毎年実演している唯一の祭り
17/07/16 ひまわりで有名な町
私の家からは隣町にあたる三次市から少し北上したところに君田という町がある
17/07/17 家のツバメ続報
ツバメが実家の軒先で営巣している
17/07/17 日本列島西海岸
興味がない人はほとんど知らない「角島」という列島の南国
17/07/25 私は禁煙できるか
禁煙を始めてみた。本日で4日め
17/08/05 夏祭り
今回は山間部の田舎における、典型的な祭りといえるようなものに参加してきた
17/08/26 広島カープ
ここ数年のプロ野球の盛り上がりがすごい
17/09/25 優勝セール
広島カープが優勝した。昨年から続き2連覇となった
17/09/30 郷土料理
ブログを読んでくれた友人からのリクエストもあり、ワニ料理の食レポに挑戦してみた
17/10/29 スターとは
大抵だれでも一人くらいは有名人として畏敬の念を持つ人がいるのではないだろうか
17/11/17 このブログの訪問者
今回はこのホームページの来歴と訪問者について書いてみようと思う
18/01/22 本年もよろしくお願いします
前回からブログ更新を2カ月もさぼってしまった
18/01/24 とんど焼き
妻方の実家のとんど祭りを見学してきた
18/02/11 近況こまごま
今回は近況のこまごましたことをお伝えしようと思う
18/02/11 いちご狩り
田舎で暮らすことの利点はたくさんあるが、そのうちの一つに農作物やそれに関わる虫や動物との触れ合いやすさというのもあると思われる
19/01/06 2019賀正
初詣に行くとしたら、私の住む吉田町では清神社(すがじんじゃ)が知られた場所になる。
19/01/07 古代遺跡好きの人へ
遺跡などに興味のある人なら必ず楽しめるであろう地方の無名なテーマパークを紹介しようと思う。
19/06/02 集落のひとコマ
ここのところ古民家ブログを順調にアップできているが、反対にそれ以外のブログが全く更新されなくなっている。
19/06/11 ツバメの来襲
窓を開けているとたまに侵入者がいるのだが、ここ最近頻繁に入ってくるのがタイトルのとおりツバメなのである。
19/06/16 我が青春の終焉
ここ広島県でもう20年以上もの昔から常に「旨いラーメン屋」で上位2位に入ってくるお店があるのをご存知であろうか。
19/08/26 プチ記念植樹
庭の山椒の木もその実が赤く色づいてきているため、そろそろ収穫して香辛料として味わってみようと思っている。
19/09/22 集落のひとコマ2
今回は田植え・稲刈りに共通する話題に少し触れてみようということで第二弾として立ち上げてみた。
19/11/14 古い庄屋の見学
今回は、作者が住む安芸高田市内にある登録有形文化財となっている古い庄屋の見学に行ってきた
19/12/02 想像力を養う旅
都会を離れて田舎での生活をはじめました 古民家を買ってDIYリノベ 山や渓流と密着した暮らしを模索するサイトです
19/12/31 年末のご挨拶
今年も残すところあと数時間。この一年間このブログをご覧になってくださった皆様に感謝の意をこめてこれまでの当ブログの訪問者数をお伝えしようと思う。
20/02/18 ようやく積雪
今年はもう積もらないと思っていた。そう思われていた方が大半だったのではなかろうか。我が安芸高田市も本日ようやく今年初となる積雪を観測した。
20/04/06 集落のひとコマ3
我が集落では本日より田植えの準備がすすめられている。
20/08/24 ツバメ子育て
ツバメ達がこの巣を作っていたのはもう6月が終わろうとする時期で、かなり遅い時期である。
20/09/08 台風10号の影響
温かい季節になるとオオサンショウウオが顔を出すことが多い。
20/11/08 コロナ以降初の遠出
久々の遠出である。洗面台の完成がいつまでも見えていないことを解消するため、滋賀県は甲賀市まで足を伸ばしてみることにした。
21/11/21 倉吉にて
この週末にちょっとした遠出をしてみた。そのときに色んなアイテムをゲットしたので合わせて報告しておこうと思う。
22/01/05 新年のご挨拶
挨拶が遅くなってしまいましたが、簡単に近況報告と新年の所信を表明したく存じます。
22/04/10 春のご報告
今年もようやく寒い時期が過ぎて春の訪れをひしひしと感じている。今回は私個人の周辺についてのご報告をさせていただこうと思う。
22/05/22 人生で影響を受けたもの
もう一カ月以上も前のことであり今さら感が拭えないが、作家の野田知佑氏が永眠された。
22/09/14 久々の更新
今回の主題は「春」というものについてでいかせていただこうと思う。
22/09/18 色々あった夏
昨年の豪雨災害で我が集落の川周りはズタズタにされ危惧していたことがホタルとオオサンショウウオについてである。
22/11/18 不運なトラブル
前回のブログから一か月以上が過ぎてしまっているが、これは私の怠慢ではなく、PCの故障によるものである。
22/11/19 滅びゆく木造校舎
イベントというのは小学校で開催されているもので、趣のある木造校舎を残したいというプロジェクトのもと、有志によって運営されている
22/11/25 吹きガラスに挑戦
今回は、四国までブラリとドライブしてきたときの話。その中で、現地アポでそのまま体験できた吹きガラスについて紹介することにした。
22/11/29 軽トラリニューアル
私が安芸高田に移住するようになって早5年半が過ぎた。以後乗用車として縦横無尽の活躍をしてくれた軽トラが、いい加減耐久に限界が近づいていた。
22/12/22 雪への対策
壁や板張りが無残にも汚されてしまったため今年は是非とも対策を講じるべく動くことにした。
22/12/31 2022 賀正
謹賀新年。今年も色々ありましたが無事にまたこの日を迎えることができました。
23/05/06 新しい家族を迎えた日
猫についてである。探していたのだが、先週末の譲渡会で決定し、昨日からトライアルで同居を開始した。
23/12/20 長期休養いただきました
都会を離れて田舎での生活をはじめました 古民家を買ってDIYリノベ 山や渓流と密着した暮らしを模索するサイトです
25/01/01 2025賀正
謹賀新年。昨年は年始に人生初のお祓いをしてからのスタートとなりましたが、特に新たな問題は発生せず無事に年を越すことができました。
25/01/12 寒波注意報
本年最初の寒波到来とあり、少々浮ついた気持ちと本格的な冬の到来に警戒する気持ちがないまぜになっている
25/05/24 愛しきものとの離別
始まりのときはいつかこんな日がくるとは想像すらしていなかった。出会ってから今年で14年目、我が愛車のハイラックスサーフの売却が決定した。