コロナ以降初の遠出
久々の遠出である。古民家ブログのほうでずいぶん前に触れたことがあるが(そのときの記事はこちら)、洗面台の完成がいつまでも見えていないことを解消するため、滋賀県は甲賀市まで足を伸ばしてみることにした。
旅のメインとなるのは甲賀市の中でも信楽という地方で、ほぼ知らない人はいないほど陶器で有名な地域だ。ここに行くことを計画してからすでに半年以上が経過してしまっており、コロナ禍の中でそのタイミングをずっと見計らい続けてきた。
古民家ブログを読んでいただいている方はご存知かもしれないが、そろそろ我が家も人が住める状態に近づきつつあり、いい加減洗面台を完成させたくなったためGOTOキャンペーン中の間に勝負を決しようと思ったのが直接の理由となる。
今回、初めてキャンペーンを利用しそれに関する調べものも合わせてやってみたが、まず宿代が安いことに驚いた。宿は2名で2泊(妻帯)したのだが、支払いの総合計で15000円ほど(1万円を切るようなホテルも多くみかけた)で済んだ上、4000円分のクーポン券が付いてきた。
合わせてGOTOイートも1万円分(12500円の電子クーポンとして利用できる)購入したため、旅行代はかなり安くなっているはずで、これを利用する人としない(できない)人との間でかなりの不公平感が生まれるだろうとも感じている。
今回の最大の目的は信楽焼の洗面ボウル(手洗い鉢)を購入することで、以前にも触れた通りネット購入よりも現物を見て購入したい強い意向があったのである。
ただ、どうせなら行けるところは行ってみようということで到着後まず最初に向かったのがとある牧場で、冒頭の写真はその牧歌的な風景を一枚切り取ってみたものだ。最近動物といえばこのアルパカにハマっている。
次に向かったのは右の写真の場所。甲賀といえばNINJAだろうということでその名もズバリ「甲賀流忍術屋敷」に行ってみた。この甲賀にはもう一つ忍術村というものもあるようだが、そちらは子供向けの施設ということで今回は大人向けのこちらを選んだ。
内容としては、かつて本物の忍者が住んでいたという屋敷を観光するだけというシンプルなものだが、カラクリや建物の造りなど古い家屋が好きな人なら楽しめるのではないだろうか。
信楽という町に入ると目に付くのは陶芸の施設や店ばかりで、左の写真のものもその一つである。これは登り窯というもので、信楽焼の大きな特徴としてこの連なった形の窯で陶器を焼くことで通常より高い温度で焼成でき、他の陶器処では出せないものが出せるようになったという歴史を持つ。
写真の登り窯は今は本来の用途で使われておらず、跡を利用してカフェとして運営されているというので行ってみた。
こういう町に来たからには陶器を購入することはもちろんの事、自身でも陶芸体験なるものをやってみたいと思う方は多いはずだ。私も人生を通してこれまで2回ほど陶芸体験をしたことがあり、ここで人生3回目の体験をすることにした。
体験するときには大抵何を作りたいのかということを最初に聞かれる。私は過去の体験も含め、そういうときに毎回希望するのが「ラーメンどんぶり」を作りたいと言っては店の人を困らせている。
というのも、そういう大型のものをロクロで仕上げるのが素人には困難であるからで、過去2回ともチャレンジはしたものの大きさで自身を満足させるものが出来ていない。
だが今回は店の方が非常にチャレンジ精神を解した人で、的確なアドバイスと導きにより右の写真のものを作陶することができた。これまでで一番思っていたものに近く、自己満足している。
さて、順番的にはここで吟味した手洗い鉢のことに触れるのが順当なのだが、それは敢えて最後に回して帰りの道中で立ち寄った場所を先に紹介しておくことにする。
左の写真は見た通りカヤ葺き屋根の古民家を改装してカフェを営業しているところへ寄ったときのもので、兵庫県のとある古材屋に行ったときに紹介されたものである。
築200年の茅葺屋根自体もすごいのだが、話を聞くと最も大変なのはそれらの維持・メンテナンスのほうで、7年前に葺き替えた茅をもう葺き替えしなければならなくなっており、それらの費用に700万円ほどかかるとのこと。
かくいう私もずっと茅葺屋根(トタンがかぶせてある)を探して購入したいと考えていたが、県から補助金が出るとはいえ、半分以上は自己負担であるためやはり現実的な問題として瓦屋根にしておいて正解だったのかもしれない。
ちなみに、このカフェの周辺には茅屋根の家が数軒並ぶように残っており、トタンで覆っていない本物の茅屋根の家だけでも3軒ほどが連なるように建っているのが珍しい。
右の写真の奥の方の家ではトタンをかぶせているように見えるが、これはカヤを修繕する間の仮の屋根らしく、屋根から浮かして作られていて完成後取り外すように作っているようだ。
この建物は有志の女子大生が再生・修繕を行っていて、プロの人間を交えながらほぼボランティアで回復作業を行っているらしく、いい体験をしているなとほとほと感心してしまった。こういう場所が我が家の近くにあれば色んなものを吸収できそうなのだが。
ということで、最後は今回信楽で購入したものを並べてみた。左の3つがそれぞれ手洗い鉢、右奥の2つがそれぞれ行燈(あんどん)、その脇にあるのが花入れで、手前に4つある黒いものは炭と陶土を混ぜて作ったオブジェのようなもの。
まずオブジェのようなものといっても一応設定されている用途があり、水槽などに沈めておくことで水が綺麗になる(炭の力)だけでなく魚の隠れ家にもなるというアクアリウムをやる人間にとって面白い商品だ。私が購入した意図としてはこれらの中に電球を入れて間接照明として使えないかという思惑もある。
行燈に関しては説明するまでもなく、間接照明には欠くべからざるアイテムである。花入れに関しては玄関あたりに一輪挿しでも置いてみるつもりで購入した(ほぼ衝動買いのようなもの)。
手洗い鉢に関しては今回の旅のメインということでもあり、決定するまでにとにかく出来る限りのものを見て周った。最初はネットでの出品が多かったM社だけで完結するかもと甘い予想をたてていたのだが、念のため周辺の陶器店に寄ってみると出るわ出るわ名作の数々。
当初は洗面台用の大型ボウルを一つ購入するつもりだったのだが、妻の要望もあり今後リノベーションする予定のトイレにも小型のものを設置することを即座に決めた。そのため、小さいものの選定は妻のもので、特にデザインと値段を吟味しまくって買ったため2器で23000円ほどと破格の安さであった。
最終的に私が選んだものが右の写真のもの。この商品ともう一つ、黒地に金のハケ目がついた高級感ピカイチだった商品と最後の最後まで悩み抜いて決めた。
選択漏れした高級感のある方の商品はM社にあったのだが、値段的にも税込みで9万円(直径50センチクラス)と他より高く(その分いいものなのかもしれないが)、吟味する過程で2度の来店中(それぞれ30分くらいいたが)声をかけてくる店員がついに一人もいなかった。
どうやらネット商売で忙しいらしく、実店舗のほうには私がいる間誰一人として出てこなかった(他にも客がいたし、何度も目が合ったりしたのだが)ということもあり、なんとなく値段交渉をする意欲すら沸かなかったのが残念な点だ。
反面、他の店は全て客商売を全うしていて、大抵の店で3割〜5割ほどの値引きを店側からしてくるなど引き合いがなかなか見事で楽しい時間となった。結局のところ、最終的な決め手となったのは店の方の人柄かもしれない。
右の写真の鉢を購入したのは大谷陶器さんで、女将さんや恐らくその息子さんがとても柔らかい親切そうな人だったのが印象に残っている。大型の鉢の取り扱い数こそ少なかったものの、値段設定が他の店の半額ほどになっていて、商品の質が落ちるのか?と少し不安になるほどだった。
その中で私の目を瞬時に惹いたのが右のデザインで、これは信楽焼の元祖特徴といってもいいナマコ釉という釉薬を使って出す色で、さらに写真のように結晶が散り散りになっているような模様を出すのはプロでもなかなか難しいとの弁。
ちなみにお値段は36000円也。直径52センチの洗面ボウルでちゃんとした色付け・デザインが施されているものをネットで探した場合、これほど安いものはまず見つけることができないだろう。これこそ実地に足を運んだ甲斐を最大に感じることができた瞬間であった。
あとはこれら購入したものをどう活かすか、センスが問われることとなろう。
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