寒波注意報
本年最初の寒波到来とあり、少々浮ついた気持ちと本格的な冬の到来に警戒する気持ちがないまぜになっている。世間一般は年末年始の大型連休をどう過ごしたのか知らないが、私どもの今年はほとんどを家ごもりにて過ごした。
一つには私自身の怪我がなかなか癒えないということがある。椎間板ヘルニアというのは腰が痛いだけと思ったら大違いで、完治があるのかはわからないが、完治といえる状態になるまでは神経痛に悩まされることになる。
私の場合は神経痛がありながらも無理して仕事に励んだ結果、痺れの範囲が拡がり足底部に強い痛みが生じ、歩くのに苦痛が伴うようになった。立っているだけで痛いのだが、じゃあ椅子に座ったら楽かというと、今度は坐骨神経痛(ヘルニアとセットのようなもの)がひどく、1時間も座っていると音を上げたいほどに辛い。
それは今回のテーマとは無関係だが、本題は寒波についてである。
冒頭の写真が先週末の積雪後の我が家を撮ったものだ。豪雪というほどではないが、なかなかの雪化粧ではなかろうか。
私が田舎に移住して特に良かったと思える瞬間の一つに、こんな積雪があった後の晴れ間が拝めるということがある。右の写真は母家の勝手口を出てすぐのところから撮ったものだが、こんな感じで朝日が昇ったくらいの時間帯が最も美しい景色を見ることができる。
最近はとかく映え映えバエバエと口喧しい輩が跋扈しているが、私もこれで連中の仲間入りということになろうか。
雪によって空気が清冽に感じるからか、川の輝きも普段と違うような気がする。朝日でキラキラしているのが眩しく感じるほど、この規模の川でも光の反射が目の中に刺さってくる。
それには周囲の雪の白さも一役買っているに違いなく、そうでなかったとしてもそう思い込むことで見ている本人が幸せを感じられればそれで良い。
そんなことで家からの風景だけでも心躍るものを感じるが、こういうときは更なる良い景色を見たくてついつい痛い足をひきずって散歩を満喫してしまうはめになった。
今回の雪はとてもサラサラで歩いているとかなり深いところまで足が沈む。そうすると当然足の上げ下げが頻繁になり、怪我をした身には辛い。そこでなるべく上げ下げをせず足を前に出すように進んだが、雪がサラサラでほとんど抵抗なくかきわけることができている。
私が蹴散らした雪はフワッと宙に舞い、どこへともなく消えていくようなイメージだ。
こんなときは昔読んだ谷崎潤一郎の細雪を想い出す。現代風に言うとパウダースノーといったところだろうが、これだけ柔らかい雪だと一度何かで踏み固められた時にすぐに固くなってしまう。
左の写真は私の住む集落が最もよく見える高台から撮ったもので、一昔前はこの集落のまさにこの瞬間の写真を撮るために、余所からカメラマンが空き家に泊まり込みに来ていたらしい。
その他では、ここから見える田んぼを草地にして和牛の放牧も行われていたとも聞く。私が移住してくるほんの少し前のことだったようだが、ここにはそんな牧歌的な風景が拡がっていた。
ということで帰路についた。これから右の写真の道を踏破しなければならない。道に積もっている雪は概算で15センチくらいで、歩くにはなんら問題がないが、こんな綺麗な道を初めて歩く瞬間というのは楽しくもあり、切なくもある。
切ないというのは、この最初の一回こっきりでもう二度と同じ感触を味わうことはないだろうということだ。この日はさらにこの後、車にて出かける用事があり、ここから家までの雪はあっという間に端と真ん中だけを残して消滅する運命だ。
我が家は駐車場から出発してすぐの区間、急な登り坂と急な曲がりがあり、今年までの間、雪道を出かけるのはほとんどが4駆である軽トラの出番であった。だが今年からはユンボという力強い相棒が出来たため、ものの10分程度で必要充分程度の雪かきが出来てしまった。
それのお陰で4駆でない車も何の問題もなく出入りできるようになった。ちなみに、私の住む集落から出発するということは、ほとんどの場合でだんだん積雪が少ない場所へ移動すると同義であり、この出発点さえ抜けることが出来れば基本的にどこへでも行けることになる。
最後に、この程度の雪であれば毎年の特に取り上げるまでもない四季レベルのことで、わざわざ警報級を謳う必要はないと思われる。特にここ数年はニュースマスコミ(気象庁)がこぞって〇年に一度とか、過去に経験したことのないとか、煽るだけ煽って注意を促すという手法を繰り返し使う。
そうでもしないと老人がなかなか重い腰を上げないといったところから来ているのかもしれないが、ハッキリ言って逆効果であるどころか、危険ですらあるように感じる。
私自身、災害級と言われたところでまたかという気持ちになるし、どうせ大したことないだろうと、一番なってはいけない心理状況になっている。特に大雨のときなどにそう感じるが、私の集落では洪水注意報が出ようが、川の氾濫が報道されようが、避難勧告程度では誰も動こうとはしていない。
話が逸れたが、今年も素晴らしい景色を拝むことができ、幸先の良いスタートとなった。
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