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倉吉にて

この週末にちょっとした遠出をしてみた。そのときに色んなアイテムをゲットしたので合わせて報告しておこうと思う。我が中国地方には大山という富士山の小型バージョンともいえる山があり、紅葉の時期など人で賑わいをみせる。

 

私も久々に紅葉など楽しもうと思い出かけたのだが、思いつく場所に全て足を運んだため全ての報告は煩雑になりそうでやめておくことにする。今回散策の最後に立ち寄った倉吉が最も印象深かったので報告しておこうと思う。

 

まず、倉吉という街についてだが、恥ずかしながら私は隣県(鳥取)にありながらこの地域のことを全く知らなかった。中国地方で昔の風情を残す地域といえば倉敷が有名で、当然訪れた回数も1度や2度ではない。

 

それ以外では萩の街があり、どちらも広島からは片道数時間単位の遠い場所となる。広島県内でも歴史的な地域などはあるものの、古い建物がまとめて残っていて建物自体が観光に耐えうる地域という視点で見るとほとんど思い当たらない。

 

そんな中、この倉吉の町並は結論からいうとかなり好みの部類に入る。有名な街並になると、とかく観光客を意識しすぎた雰囲気になりがちで、あまりにも観光向けの店が多すぎて残念な気持ちになることがある。

 

その点、この街は店がやや少ないと感じるくらいのちょうど良さがあり、それでいて観光でもそこそこ賑わっている。冒頭の写真のような白壁土蔵群が結構な範囲で存在しており、こういうところでは定番の魚が棲む小川が建物を縫うように流れている。

 

私が主に訪れたのはそういう古い建物や地元の古民具屋などで、右の写真もそのうちの一つだ。こういう囲炉裏の間の構造は地域差などもみられ、見れば見るほど色んなアイデアにハッとさせられることが多い。

 

自分も古民家ブログの方で囲炉裏の間を作る計画を立てているだけに、こういう古いものを見るとつい細部の方に目がいってしまう。炉縁の形、炉の深さ、自在鈎の高さ、固定の仕方、火棚の存在の有無、などこの写真だけでパッとそんなことが頭に浮かぶ。

 

次に、左の写真は築260年くらいというこの地域で最古の建物についていた珍しい欄間である。何が珍しいかというと、この欄間、一枚板で出来ているということ。地位の高い人の豪邸やお城などであればともかく、一般の庶民の建物ではかなり珍しいと思われる。

 

私は最近、欄間というものに強い興味が出てきて、気軽に購入できる安価なものを常に探し続けている。欄間というのは和室では当たり前のように見られる装飾を施された板のことで、天井からの垂れ壁の部分に差し込まれているものだ。

 

欄間に興味が出始めてから以前このブログでも紹介した(そのときの記事はこちら)近所の古民具屋に求めにいこうとしたところ、かなり残念なことにそこの倉庫(建具含め500点くらいを収蔵する宝の山があった)が他社に売られていて、もうあの素晴らしい価格で購入することができなくなってしまった。

 

もっと早く気づいていれば、と強い後悔に襲われ中なのは言うまでもなく、それだけに各地の古民具屋やリサイクルショップを巡っては掘り出し物を探している。

 

さて、ここからはこの街でゲットしたアイテム達を紹介することにしよう。右の写真のものが何かわかるようであればかなりの囲炉裏好きであろうと思う。これは火箸と灰ならしというアイテムで、共に囲炉裏を使うのに欠くべからざるものである。

 

両方とも同じ古民具屋でゲットしたもので、火箸は中古の割には程度がかなり良く、武骨なデザインの火箸が多い中とても雰囲気のある装飾が施されていて一目惚れしてしまった。

 

灰ならしは新品なのだが、店主が過去に付き合いのあった職人に依頼して作ってもらったものだそうで、今は引退してもう手に入らないもののようだ。両方合わせて6000円ちょっとの値段。

 

そしてそれよりも私がこの店で一番嬉しかったのが左の商品と出会えたことだろう。比較的大きめの蔵戸で、何より状態が非常に良く、1万円の値段を聞いて即決で購入してしまった。

 

通常、ネットなどで買えばこの状態であれば数万円は下らない。こういうネット業者の仕入先ともいえる場所で、誰の手にもわたらずに自分との出会いを待っていた一品を買える瞬間というのは本当に嬉しいことと思っている

 

欠けていたり折れていたりする部分もなく、扉の下にはとても程度の良い木製の車輪が4輪ほどついていて、ハッキリ言って衝動買いというやつだが、どこかに使い道はあるだろう。それを考えるのもまた楽しいから仮に使える場所がなく無駄になっても後悔はない。

 

さて、お次はその蔵戸にかぶせたものだが、これが何かわかるだろうか?これは因州和紙と言えばわかる人はわかるだろう。ただ、これがかなり珍しいアイテムであるのはその大きさであり、何とサブロクサイズ(計ってみたら970×2000くらいあった)のものだ。

 

私は古建具を多数所持しているのだが、例えば板戸などの裏地は昔貼ってあった裏紙がほとんどボロボロの状態になっており、何かを貼って修繕する必要があった。そんな感じでフスマ紙を探したりしていたのだが、まさかこんなサイズの和紙に巡り合えるとは非常に幸運だった。

 

どうやらこの商品は因州和紙の古い職人が建築用に作成していたもののようで、今現在はもう最後の職人がいなくなってしまったのだとか。これを買った店は建築現場で余ったり残ったりしたものを都度足を運んで仕入れているようで、いつどんな商品がどれくらい手に入るか一切わからないそうだ。

 

そんな感じであるため商品としてはほとんど成立していないもののようで、値段が驚くほどに安い。由緒ある系統の和紙がサブロク判で1本880円の破格値であり、これを逃したら二度とないと思った私は店に取り置かれていたもの12枚(白5枚、鳥の子5枚、茶色2枚)を全て買い占めた。

 

まとめ買いということでさらに2割程度値引きしてくれ、計8500円強ほどでこれを購入できた。これで手持ちの建具全てをリペアできるし、本来ついていたフスマに貼り替えても見栄えがするかもしれないなど、夢が拡がる。

 

和紙は全てポスターのように丸めてあるので、使う前に反対巻きに丸めたりしてクセを取っておきたい。差し向きお試しで使ってみようと思っている茶色のものをサブロク板で挟んで数日置いてみているのが左の写真。

 

これまでは予備知識としてふすま紙の貼り方をチェックしてきたが、これだけの量の和紙が手に入ったからにはでんぷん糊かふ糊についても勉強しておかねばなるまい。やはりいい素材を使う以上、それを台無しにしない程度の方法は模索すべきであろう。

 

最後に、同じ安芸高田市でリノベーションをやっている知人邸でガレッジセールをやっていてゲットしたアイテムも紹介しておく。

 

その知人邸はこの夏の大雨災害(そのときの記事はこちら)で被災してしまった方の一人なのだが、リノベーションをして家が完成し、数年が経ったときに被災したことがキッカケで新しい生活のあり方を再構築しようと思い至ったそうだ。

 

主人が元建築家であったためか所持する調度品もかなりこだわった高級品などが多かったのだが、それらを全て格安で売り払っていて、私が駆けつけたときにはすでにほとんどのものが売れた後だった。

 

そんな中で目に留まったのが最後の写真のもので、見ての通り屋外床用のランプシェードである。周囲の素材が鉄で出来ていてかなりいい味のあるアイテムだが、これが2000円で出ていたため即決で購入した。

 

電気ソケット等がかなり古くなっていてそのままでは使えそうになく、少し手間をかける必要があるが、そのくらいの価値はある品物だと思う。こういう良いものを見つけたときにすぐに買って帰れる家があるというのは本当にいいものだと思う。

 

以前のようにマンション暮らしだったりするとまず置き場のことが頭に浮かび、ほとんどのものを購入断念しているに違いなく、そういう点でもストレス生活であった。これを読んだ方に少しでも共感していただければ幸いだ。


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