納屋の屋内作業が終了してからというもの、作者の気持ちはここを民泊施設にするための仕上げ的なことを考えるフェーズに移行している。
ここまで、作業の結果大雑把に完成させているところなどは細かいDIYがまだまだ必要な状況だが、それよりも優先して今回と次回からは、土間に残っている最後の資材を使った工作を行っていく。
冒頭の写真が何かわかる方がいたとすれば、このブログのことは何でも網羅しているマスターといえるだろう。これはこのブログの初期で作者が物件を購入した直後あたり、最初の作業として納屋の掃除をしていた際(その時の記事はこちら)に発掘したものだ。
思い返せばもう7年も前のことになるが、当時こういった古い障子は全て処分するつもりであまり確認もしていなかった時、招いた友人がこの障子の上貼りが破れた下に覗いている古い新聞を発見した。
その報告を受けて上貼りを慎重にはがしてみると、下には明治28年当時の新聞が貼られていたことがわかり、完成時の見世物として使おうとここまで保管し続けてきたという経緯がある。
そのブログでも触れていることだが敢えて再度おさらいしておくと、この納屋が建てられたのは昭和中期頃と思われるが、旧所有者の話によると、そのときに建物を新築したのではなく、古い納屋を移築再生したということ。
ということは必然、50年ほど前に当時の目から見ても古い建物を移築したということで、建物自体は100年を越えるものだということが予想された。当初それを聞いた作者は半信半疑だったが、この襖が出てきたことが旧所有者の言葉を裏付ける形となった。
普通、移築再生といっても大抵の場合は骨組みだけを再生し、その他の劣化しやすいものや現場でも作成が容易なものに関しては新調すると考えるのが妥当と考えていたのだが、築年から考えてもどうやらこの襖自体古いものをそのまま持ってきたことが想像される。
実際、こういう100年以上前の新聞が史的にどれほど貴重なものか調べてもいないが、少なくともこの建物を語る上で、無限に想像を掻き立てられるものとしてこれを放置することはできない。
そう考えた作者は、納屋の完成後これを人の目に触れるところに展示することを決意した。というのがここまでの経緯である。
冒頭の写真はその襖にラッピングを施した状態を撮ったもので、理想を言えばもっと中身を真空状態に近づけるような加工がしたかったのだが、個人で安価に考えた結果、厚さ0.04ミリのOPPフィルムを貼るに留めておいた。
このフィルムを貼った理由は、出来るだけ良い状態で保存しておきたかったことと、来客用にディスプレイするに際して見せ方として適当だと考えたからだ。
襖の型枠に関しては作者の保存対象の中に含まれず、あくまでこの古新聞のみを保存しておきたいため、フィルムを貼るのは型枠面のみとし、今後はがしたりして型枠が崩れることについては考慮していない。
それにしても、作者の関心を引くのがこの記事の間に挟まれている挿絵の部分で、これを見るだけで当時の新聞というのがどれだけ手間をかけて作られていたのかがわかる。
そして他の点で目立っているのが左の写真にあるような読み物で、タイトルに「ぬれぎぬ」とある。これはこの障子に貼られている新聞だけで2箇所ほど確認できており、要するに当時の新聞紙に連載されていた小説(物語)のようなものと思われる。
これ以外にも薬などの広告や求人欄があるなど、現代の新聞の構成とさほど変わっていないことにも興味を惹かれる。当時から新聞は娯楽の一端を担っていたということの証拠といえよう。
以上で襖のラッピングが終わったが、作者が問題視したのがこれをどこに展示するかについてである。当初は土間の壁あたりに展示しておけばよいと安易に考えていたのだが、ここにきて土間は別の用途に使用することが決まり、展示する場所が見当たらない。
これについては考えに考えた結果、現時点での最適解と思える場所が閃いた。右の写真がその場所なのだが、ここは以前天井裏に繋がる梯子を組んだとき(その時の記事はこちら)にも紹介したいろりの間の2階にあたる部分で、本棚の上の作業スペースになる。
正直、このプランを思いつくまで、この場所はこの状態のままで良いと思っていたのだが、現状では電気配線がむき出しだったりダンボールなどが積み上げられていたりで、目汚しなスペースであったのは間違いない。
ここに障子でフタをすることで現状より見劣りがすることもなく、どうしても見たい人にとっては古家探検のような気持ちで楽しんでもらえるかもしれないと思った。
ということでここに簡易襖枠を造ることにしたのだが、作者がどうしても重要視したかったのが、仮に襖枠として利用するとしても、いざ天井裏で何らかの作業をする際に簡単にバラせる構造にしておきたかったということだ。
簡単にバラせるために必須なことは鴨居が取り外せることであり、そのための構造として作者が採用したのが、柱に金具を取り付けておいて鴨居はそれに載せるだけにするということだった。
左の写真がその金具で、近くのホームセンターではあまり品揃えがなかったため、ツーバイ材専用の接合金具を組み合わせて構築したものである。
この金具を両柱に固定(もちろん襖の高さに応じた位置に)しておき、あとは鴨居となるものを載せるだけという状態にした上で、最後に鴨居を造るという手順により大枠が完成。
右の写真はその完成した鴨居を塗装したときのもので、鴨居にはツーバイ材を使用。今回は襖の戸道を彫り込むのではなく、特売で購入しておいた10×15ミリの極細材を戸道ができるよう固定しただけの簡単な構造にした。
それによって完成したのが左の写真。一応考え方として、この襖枠は正式なものではなく、あくまでここには何もないのが通常な状態である(天井裏作業のために何もないのが妥当)ということを前提に、鴨居は取り外せるものとし、かつ敷居には戸道となる溝は造っていない。
極端にいってしまえば、この場所には鴨居すら必要ではなく、襖を立て掛ける術さえあればそれで良かったというのが本来の考え方であり、従って手間いらずの鴨居は造りはしたものの、作業時に邪魔になりそうな敷居(の戸道)については一切なくても良いと判断した。
最後に、下から見たイメージを載せて今回は終了としたい。思い付きで始めたこの位置での展示だが、作者は意外とこのプランを気に入ってしまい、今後は本格的にここで展示できる術を考えていこうと思っている。
ここを展示スペースにしたことにより、本棚の上や近くの梁、2階窓開閉用の足場なども常に掃除しておく必要性が生じたことになる上、来客が安全に行き来できる手段(梯子は器物破損の観点から来客が扱うのは不可)をも考えなければならない。
さらに、この2階スペースには一切照明がなく、古い新聞を暗がりの中で見るのはストレスであるため、何がしかの照明も用意しなければならず、図らずしも作者の仕事がまた一つ増えてしまった。











































































