日淡についてのまとめ

日淡のこと

ここでは地味で目立たない日本の淡水魚について紹介していきます。

 

よく例えられる比喩として、海中の景色を水彩画とすると、川の中の景色は水墨画だと言われます。そういった環境下で暮らしているとおのずと魚たちの外見や模様も地味になってくるらしく、日本国内では極彩色の淡水魚というのはほとんど存在しません。

 

派手さよりも朴訥さをより愛してしまうのはもはや性分としか言いようのないものかもしれません。

 

一度でも川に潜って水の中を見たことのある方はわかるかもしれませんが、川に棲む魚たちの生活圏というのは降海型のものは別として、海の魚と較べてそう広いものではありません。

 

寿命もそう長いものではなく、一般的に5年前後が生涯となる儚い生き物ではありますが、自分から歩み寄って至近距離から眺めてみると、非常に躍動感があり、力強さを感じることができます。

 

そして恐らく、動物全般に言えることかもしれませんが、私にとって重要なのは我々人間の目というフィルターを通し、人間とその存在を置き換えてみたときにそれら個のもつ強さや逞しさが想像でき、憧れる余地を見いだせることではないかと思っています。魚になりたいかと言われれば答えは無論否ですが、だからこそ逆に感嘆せずにはいられません。

 

全てを紹介するととりとめないので、ここでは、過去に私が水槽で飼ったことのあるものや、川で実際に捕まえたものに限定して紹介しております。

 

上流域に棲む魚 主に河川上流部に棲む魚についての豆知識です
中〜下流域に棲む魚 河川中流以下、生息範囲が広めの魚についての豆知識です
番外編 その他の河川周りに棲む生き物についての豆知識です

よく魚を家に持ち帰って水槽で眺めています。ここでは私が撮影した魚や飼育したことのあるものを紹介しています。

 

主に河川中〜上流域に棲む魚の紹介です。

 

アカザ

綺麗な川の上流(冷水域)にしか棲めない魚で、暗い場所を好みます。昔は普通に見られた魚ですが、今はよほど条件の良い川にしか生息していません。見つけたときは嬉しくてたまらないもののひとつです。 赤みがかった体色が特徴で、背びれには毒腺があり触りすぎるとやられてしまうこともあります。 目が退化していますが4対のヒゲがあり、夜行動して動物性のものを捕らえるところはナマズと似ています。

アマゴ

中部以西の川の上流部が主な生息地という見方が一般的です。大きな特徴として、体にあるパーマークと呼ばれる楕円の模様と、それに付いた朱の点、背中側には黒点があります。中部より東の方では朱の点がなくなり、ヤマメと呼ばれます。 まだ生後一年ちょっとの個体と思われます。地域や環境での育ち方によって外見が多少変わってきます。どの地域でも共通して言えることは、水中の景色の地味さとは対照的にあでやかな外見をしていることであり、淡水魚の花形といえます。 生後半年ほどの個体。家で飼うには水温が20℃を越えない設備が必要になります。常に流れに向かって泳ぎ続け、多量の酸素を必要とするため、強い流れと空気が一緒に出るタイプのポンプを使うと心地よさげです。酸素供給が止まるとすぐに死んでしまいますので、ポンプは常に2台設置するなどの工夫も必要です。

イワナ

河川の最上流に位置する魚で、淡水魚のなかでも地域による個体差が激しく、詳しく分類するのが難しい魚でもあります。一部の例外もありますが関西以東の高山地域に生息しています。上の写真はニッコウイワナと呼ばれる種で中部から北陸にかけて広く分布しています。 東北の典型はこのように白く大きな斑があり、ボディの褐色以外の色はあまりでません。写真は生後1年半ほどの子供ですが、3年以上の個体となると迫力が増し、降海型はアメマスと呼ばれます。 岩魚が住処としている最上流部はエサとなる小動物の数も圧倒的に少ないため、口に入るものは何でも食べます。ヘビやカエルを食べた記録もあるほどで、口は大きく開き、獲物を逃さないよう舌にもギザギザの歯が付いているなどの工夫がみられます。
一時は絶滅が危惧されたヤマトイワナという種の子供です。他に有名な種として、北海道に分布するオショロコマ、中国地方に分布するゴギなどが挙げられます。 黒部の黄金色の岩魚。高山地帯に生息するため岩の色、周囲の色が明るいとこんな色に成長するのかもしれません。 水中では流れに向かって力強く泳ぐこともありますが、大きくなればなるほど、水の流れが止まっているような大岩の隙間などに隠れているため、釣りをしようと思えばそれなりのテクニックを要する魚でもあります。
マスの特徴としてオスは成長に伴って下あごが鼻のほうに曲がります。 水槽内では意外と堂々たるもので、他の魚を寄せ付けずエサを独り占めしようとします。 俗に「尺」と言われるサイズの岩魚の存在感は圧倒的です。

カジカ

昔から川の中上流部では普通に見られる淡水魚のマスコット的存在です。 カジカの棲息できる環境があれば、その場所は望みがあると言えるでしょう。浅瀬でも石をひっくり返すと簡単にとれます。 釣りをしているとたまにその小さい口で釣られてくることもあります。地方では姿煮などにして食べたりもします。

ヤマメ

アマゴの項での説明どおり、中部以東の河川上流部における渓魚の花形的存在です。白黒画面のような水中の景色の中で一際目立つその美しい模様に魅了された人は多いでしょう。 上の写真はまさに最高の状態にある個体で、体の側線にあるオレンジ色が鮮やかに浮かび上がっています。東北に行くとこのような100%天然の個体が多く、体高があり、養殖のものとは一目で違いがわかります。 状態が悪く、マダラと呼ばれる変異跡があります。体もサビていて線も細く、あまり力強さもありません。種としては運動神経が抜群で、泳ぐことが得意な魚です。
基本的に縄張り意識が強い種ですが、複数集まると流れの上流から強い者順に並び、後ろにいる弱い者ほどエサにありつけないようになっています。川の中では、強い流れに向かって屹然と泳ぎ続ける姿に感動すら覚えます。 大きくなると精悍な面構えになり、オスの個体だと下顎が上方に曲がる「鼻曲がり」と言われる状態になります。種としてメスの個体が圧倒的に多く、まさに紅一点といえます。一生を川で過ごす「河川型」でここまで立派に成長するのはかなり少ないと思われます。 マスの中には降海型と呼ばれるものがあり、ある時期に海に降って大きく育った頃故郷に戻ってくる習性があります。一生を川だけで過ごす個体もあり、地域や個体の差が激しくもあります。ヤマメが海に降ったものをサクラマス、アマゴが海に降ったものをサツキマスと呼びます。
続きを読む≫ 2017/03/01 10:41:01

よく魚を家に持ち帰って水槽で眺めています。ここでは私が撮影した魚や飼育したことのあるものを紹介しています。

 

番外編です。

 

制作待ち

続きを読む≫ 2017/03/01 10:17:01

よく魚を家に持ち帰って水槽で眺めています。ここでは私が撮影した魚や飼育したことのあるものを紹介しています。

 

主に河川中〜下流域に棲む魚の紹介です。

 

アユ

淡水魚に興味ない方でもアユぐらいは食べたことがあるのではないでしょうか。一年で生涯を終える魚で、子供の頃は海に近いあたりで動物性のエサを食べますが、夏になり成魚になると石についた苔しか食べなくなります。そのため、十分に育ったものは魚臭がほとんどなく、スイカのような匂いがします。 石に付いた苔といっても良質なものは数が少なく、奪い合いになること必至です。そのため、各々が一つの石を縄張りとし、近づく魚がいれば体当たりをして追い払おうとします。アユの友釣りという伝統漁法はこの習性を利用したものでエサを付けず、おとりアユを泳がせて針に引っ掛けます。 体の割に大きなへの字口が特徴で、大きな下あごで石に付いた苔をこそぐように食べます。石に向かって体をひねりながら回転力を使って食べているため、河原から見ていて一瞬なにかがキラッと光ることがあればアユが捕食したのだと判ります。

ウグイ

マス釣り師からはエサ盗りとして嫌われるのがこの魚です。地方によってはイダなどと呼ばれ、降海型のものをマルタといいます。 婚姻色が鮮やかな魚で、体色がオレンジ色になるほか、頭部に追い星と呼ばれる白点が浮かびます。 川の下流〜少し上流まで幅広く生息しており、最も数の多い魚といえます。食べても美味しくないため鑑賞マニアにしか興味を持たれない悲しい魚でもあります。

オイカワ

夏に川の中に潜ると、最も美しい婚姻色を見せてくれるのがこのオイカワです。一年を通してみることができます。 釣るのも獲るのも簡単な魚ではありますが、それがカワムツと共に日本の川の風物詩として捉えられる要因にもなっているのでしょう。 遊んでいるとすぐに大量に獲れます。食べてもあまり美味しくないのでもっぱら鑑賞用になります。

オヤニラミ

私が最も好きな淡水魚といえばこの魚です。一昔前までは日本の河川の中で唯一のスズキ科に属していましたが、分類が変わったみたいです。エラぶたのところにある模様が目のように見えることから「ヨツメ」と呼ぶ地域もあります。泳ぎが下手で、ピヨピヨとホバリングするように浮く姿が愛らしい魚です。 縄張り意識が非常に強く、不用意に入ってくるものがあれば容赦なく襲い掛かります。水槽で飼うときは混泳させるのに最も神経を使う魚で、特に同種の混泳は弱い方が死ぬまで攻撃し続けます。 川の中で人間に出会ってもひるむことなく向かってきます。写真のように威嚇しながら相手を睨みつけ、必要であれば攻撃をしかけます。他の魚のようにただ逃げるだけではありません。人間に対する恐れがさほどないためか、飼育下では人間に懐くのも早く、眺めていて飽きない魚です。

カマツカ

中流の川底に棲む魚で、どこにでも見られます。下向きについた口で砂ごと一緒に小動物を食べ、砂だけをエラから吐き出す器用さを持っています。 臆病な魚で、驚くとすぐに逃げたり砂に潜ったりします。水槽で鑑賞していていないと思うと砂の中から目だけが出ていることもあります。 底層魚なので、飼育する際は中上層魚との混泳がお勧めです。他の魚が食べきれず下に落ちたエサの掃除屋として重宝すること間違いありません。

カワアナゴ

主に下流域に棲む魚で、自分と同じぐらいの大きさの魚でも丸呑みにしてしまうほど獰猛なところがあります。 水槽で飼ってみると、シルエットや正面から見た絵が非常に微笑ましい魚でもあります。 生命力は高く、大きく育ってくると食用にしても美味です。これを狙って釣りをすることはあまりないかもしれませんが、釣れると嬉しい魚です。

カワムツ

淡水魚の代表選手の一つと言えましょう。従来は地域差が認められていませんでしたが、近年の調査で婚姻色が違う2種類のタイプが存在することが知られています。 婚姻色が出かかっています。夏になると、産卵に備えて婚姻色が出ますが、その色が美しい魚でもあります。 鮮やかに婚姻色が出ています。オイカワやウグイもほぼ同時期に繁殖期に入り、それぞれ住環境も似通っているため、この時期の川の中は様々な色で賑わいます。

ドジョウ

昔から田んぼなどにも棲息しているおなじみの魚です。生活圏も広く、少々濁ったような場所を好みますが上流部にいることもあります。 一般的に小さいイメージがあるかもしれませんが、条件の良い環境だと20cmくらいに育ちます。 田んぼの水が抜かれると、土の中に潜り、わずかな水分だけで生きながらえることができます。環境変化にも強い種といえるでしょう。

ハゼ

海にも川にも多く見られる種で、全魚種の中でも最も繁栄を築いている種といえます。取り上げているのは川にいる種ですが、大きくても15cm前後くらいまでにしかなりません。 驚くと砂の中に潜る習性を持ち、親しみやすい魚です。口が大きめで自分より小さい魚を食べる可能性がありますが、食べられることも多い魚種です。 ハゼの仲間にはヨシノボリやゴリ、チチブなども含まれます。それぞれに見た目や特徴など多少違いますが、愛嬌のある魚たちばかりです。

ハヤ

どこの川にもいる魚です。子供が魚の捕まえ方を練習するのにちょうどよいでしょう。 見た目は地味ですが、味わいがあり、フナと並んで日本の郷愁魚の代表選手といえます。 食用にするほど美味ではなく、そのために種の大繁栄が築けたともいえます。

ムギツク

カワムツやオイカワと同じような生息域をもつ馴染み深い魚です。円錐を底の部分で2つ繋ぎ合わせたような体形をしており、遠目からでもすぐわかります。 体を縦断している一本の黒帯が最大の特徴ですが、成長に伴って薄くなっていく傾向があるようです。 大人しい魚で、水槽で観察していると日に日に愛着が湧いてくる魚ですが、強いものと混泳すると上の写真のように隅っこに追いやられてしまいます。

モツゴ

地方によってはクチボソとも呼ばれます。田んぼ脇の水路や流れの少ない池などを好んで棲みます。 名前のとおり口が小さいですが、こういう小さい魚をいかに小さい道具で釣るかという楽しみ方は日本独特のものです。 環境に強く、全国至るところで繁栄しています。水質にも強いため、初心者でも飼育しやすい魚といえるでしょう。
続きを読む≫ 2017/03/01 10:12:01