渓流、山、自然についてのまとめ

豪雪地帯の夏

豪雪地帯である越後の国には素晴らしい自然があります。私が足繁く通っていた奥只見の山も新潟県にあり、都内からの距離・自然の濃密さ・人の少なさなど全ての面を総合してこの県が最も秀でていると思っています。今回ご紹介する秋山郷は、興味がない人でもご存知の方がいらっしゃるほど著名な場所ですが、敢えて紹介してみたいと思います。

 

秋山郷といってもピンからキリですが、今回は津南町からやや登ったところからのスタートで、登山道を行くこと3時間程度のダム近辺までを取り上げてみました。

 

当然のように人は少ないですが、超がつくほどの人気スポットのため源流を求めて奥まで行く人も多く、ダム近辺には無人無管理の朽ちかけた山小屋があり、万が一のときの避難場所にもなっております。

 

津南町から南に下ること1時間以上、スタート地点とした場所は有名な露天風呂があるところです。無料で入れるため多くの家族がいることもあります。 この写真は、左側の緑がかったのが水温10℃前後の川で、右の石で区切られた箇所が20〜60℃の温泉になっています。石はただ置いてあるだけなので自由に動かしながら湯温調整します。こんな場所ではもう泳ぎながら温まるしかないでしょう。 この橋から今回の遡行を始めますが、さきほどの温泉からここまで歩くのに30分程度要します。はるか先のダム地点まではダムを造った際の小道がありますのでそこを3時間ほど登山します。
石清水とはこのようなことを言うのでしょう。この近辺は一年を通して雨が多く、水源がものすごく豊富なので水の確保に困ることはまずありません。 ここは規模が大きめですが、もっと小さな場所から充分にろ過された水がしたたるような場所がいくらでもあります。ここを濡れずに進むのは困難なことでしょう。 途中で100メートルほど高低差のある崖を滑り降りると、この写真のような場所に出ます。周囲は完全に山に囲まれているため、全てを自分の力に頼って進退を決めるほかありません。
秘境気分を味わいたければここは最適の場所といえるでしょう。至る所幽玄のような世界が広がっていて、動物にも出会えます。 うっとりしすぎてつい川辺にテントを張りたくなってしまいますが、ここはまだダムの下流。うっかりテントを張らないよう注意しましょう。 このような谷状の場所を行くときはかなりの危険が伴います。よく鉄砲水なども発生していると聞いています。
今回の目的地のダムに到着です。この澄み切った水をなんと表現してよいかわかりません。ダム=川を汚染するもの、という図式が必ずしも当てはまるわけではないことがよくわかります。 テント場の近くで青大将が日向ぼっこをしていました。無害で昔から子供の遊び相手にされてきた気の毒な種です。写真を撮るために近づきすぎたため、とぐろを巻いて威嚇しています。ヘビはとぐろを巻いているのが攻撃の準備態勢なので注意しないといけません。 場所によってはおたまじゃくしが無数にいることもあります。時期的に手足が見えだしの頃ですが、こういう変態動物は子供の興味をそそります。これを見ただけではわかりませんが、こういった中にあの風情のある鳴き声のカジカガエルもいるのでしょうか。
こういう景色を見るために何時間もかけてここまで来ています。もう辛抱の時間は終わりましたので、遠慮なく潜ってみようと思います。 水の中で遊ぶときはこういう淵も面白いですが、浅瀬を這うように見ていくのも面白いです。第三者からみたら完全に危ない感じの人に見えてしまうかもしれません。 イワナの子供が遊んでいます。こちらの存在には気づいているのですが、まだ人間に対する警戒心がそれほど強くなく、居心地のいい場所からなかなか逃げようとしません。
深くえぐれている部分の下には、必ずといってよいほど魚が潜んでいます。大物などは捕食のとき以外は岩で作られた空洞などにじっとしています。追い詰められた魚は、ゆっくりと手を差し伸べてやれば観念したのか逃げることをしなくなります。 逆に流れが強い場所にいると、それが警戒心の強いイワナであったとしても、下流側から近づいていくと至近距離まで逃げないこともよくあります。ただ、強い流れと浮力のせいで、よほど力を入れて体を支えていないとすぐに浮かび上がってしまいます。 たまに人間が潜って川の中で姿を発見すると、写真のように「ギョッ」とした表情をし、動きが止まり、息さえ殺してじっとしています。あとはゆっくりと捉まえるだけなのですが、どれだけ呼吸器官を止められるかが勝負になります。
この山は一日を通して雨が降らない日がほとんどないような場所で、それもすさまじい落雷が毎日当たり前のようにあります。雷が鳴ったかと思えば次の瞬間には快晴になっていたりと、「山の天候はわからない」をまさに体現している場所です。 さあ、待ちに待った食事タイムです。魚のほうは泣き尺のサイズが獲れましたので、刺身にしても美味しく食べられるでしょう。イメージだけが先行する人からはよく川魚の生食は寄生虫が危険と言われますが、正しい知識を持つことで危険を回避できます。 道中どこにでも自生しているフキを採ってきました。苦み走った味は酒飲みにはたまらないとのことです。本来ならアク抜き等したいところですが、流水して茹でるだけでもそれなりに旨いです。
魚は三枚卸しにしてとりあえず人数分の量を確保したあと、残った骨や細かい部分は唐揚げにすると残さず食べることができます。お皿の代わりに使っているクマザサもそのへんで採ってきたものなので、見た目の雰囲気だけでも充分に楽しめます。 小さい魚と残りものの部分で唐揚げを作ります。揚げ物をするときは油をできるだけ少量にし、ナベを傾けて使うとよいかと思います。あとはご飯さえうまく炊ければ今日の食事は文句ないものになるでしょう。 イワナの刺身を食べたことのある人は少ないと思いますが、汚染の全くない上流で育ったイワナの身というのは、全く魚臭がなく、食感は例えようのないほど絶妙で、醤油なしでも旨いです。4時間近い道のりを頑張って登る価値は充分にあります。

 

 

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